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Huaweiが独自OSの「HarmonyOS 2」を発表、搭載スマートフォンやスマートウォッチも同時に発表


2019年5月にドナルド・トランプ前大統領が「情報通信上のリスクがある外国製品の取引を禁止する」という大統領令に署名したことから、アメリカ政府による中国の通信機器メーカー・Huawei排斥の動きが加速し、HuaweiがAndroidをはじめとするGoogleが開発するOSやサービスを使えなくなると報じられました。この頃からHuaweiはAndroidに代わる独自のOSを開発中であると報じられてきたのですが、ついに独自OSの「HarmonyOS 2」を発表しています。HarmonyOS 2はスマートフォンだけでなくスマートウォッチにも搭載されます。

Huawei Launches a Range of New Products Powered by HarmonyOS 2 - Huawei
https://www.huawei.com/en/news/2021/6/huawei-launches-products-powered-by-harmonyos-2

現地時間で2021年6月2日に開催された発表イベントの中で、Huaweiは次世代オープンフィットアクティブノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスBluetoothイヤホンとなる「FreeBuds 4」、ハイエンドモニターの「MateView」と「MateView GT」を発表しました。さらに、独自OSのHarmonyOS 2を搭載する新型スマートフォン・スマートウォッチ・タブレットを発表。なお、HarmonyOS 2はすでに販売されているHuawei製端末でも利用可能となります。

◆HarmonyOS 2
HarmonyOS 2は日常生活の中に大量に存在するスマートデバイスのエクスペリエンスをスマートにするために設計されたOSです。HarmonyOSはスマートデバイス向けの次世代OSとして、さまざまな種類のデバイスが接続してコラボレーションするための共通言語を提供し、ユーザーにより便利でスムーズで安全なエクスペリエンスを提供するとのこと。分散型テクノロジーを使用することで、単一のシステムであらゆる種類の異なるデバイスのニーズに対応し、必要に応じて柔軟な展開を可能にします。HuaweiはHarmonyOS 2について、「HarmonyOSはアプリのクロスプラットフォーム開発とクロスデバイス展開を可能にし、デバイス間のアプリ開発をこれまで以上に簡単にします」と記しました。


HarmonyOS 2の新しいコントロールパネルはユーザーが特定のシナリオに基づいて必要なデバイスを自由に接続できるドラッグ&統合機能によるシンプルで直感的な接続をサポートします。例えば、深夜に家で映画を見たい場合、コントロールパネルを開いてスマートスクリーンアイコンを電話アイコンにドラッグするだけで、映画が電話からテレビに直接ジャンプします。HUAWEI FreeBuds 4を装着している場合、イヤホンのアイコンを電話のアイコンにドラッグすると、スマートスクリーンでムービーが再生され、FreeBudsを介してサウンドが再ルーティングされます。

また、HarmonyOS 2の新しいタスクセンターでは、アプリを1つずつインストールしなくても、さまざまなデバイス間で自由に移動できるため、必要なときにいつでもどこでもすべての機能とサービスを利用可能。スーパーデバイスシステムの一部であるデバイスでは、他のすべてのデバイスで実行されているタスクを確認できます。モバイルゲーム用に大きなディスプレイが必要な場合、上にスワイプしてホバーするだけで概要画面が表示され、ゲームをHUAWEI MatePad Proに転送して楽しむことが可能です。


HarmonyOS 2はEMUIよりもスムーズに動作するOSで、36カ月(3年)使用した後でも新品同様の読み取り書き込み速度を維持しており、デバイスに使用できるストレージがほとんどなくてもパフォーマンスは低下しません。HarmonyOS 2は開いているアプリをバックグラウンドで実行し続けるため、アプリを一時中断しても中断したところからいつでも再開可能。

また、Huaweiはプライバシーとセキュリティの保護にも取り組んでおり、HarmonyOS 2はEMUIの最先端プライバシー・セキュリティテクノロジーを継承・発展させています。


なお、Google関連メディアの9to5Googleは「HarmonyOS 2とAndroidの間には非常に多くの類似点がありますが、タブレットに最適化されたホーム画面の場合、iPadOSのホーム画面のような要素が見られます」と指摘。さらに、Android AuthorityはHarmonyOS 2を「Android 10のスピンオフ」と表現し、「わずかなリブランドである」とも指摘しています。なお、テクノロジーメディアのTechRadarも「HarmonyOS 2は明らかにAndroidをベースとしたOSである」と言及しています。

なお、HarmonyOS 2が登場する以前から「Huaweiの独自開発OSであるHarmonyOSはほぼAndroid」と報じられていました。

Huawei製スマホに搭載予定の独自OS「HarmonyOS」は実質的にほぼAndroidであるとの指摘 - GIGAZINE

by Kārlis Dambrāns

◆HUAWEI WATCH 3シリーズ
Huaweiの最新フラグシップスマートウォッチとなる「HUAWEI WATCH 3」シリーズは、湾曲したガラススクリーンとステンレススチールケースを特徴としたスマートウォッチで、さまざまなレベルの圧力を感知し、ユーザー入力に応じて触覚フィードバックを提供新しい3D回転竜頭を備えています。HUAWEI WATCH 3シリーズは、スマートフォンと同じ電話番号・データプランで、電話の発着信や音楽再生が可能です。

HUAWEI WATCH 3シリーズもHarmonyOS 2を搭載しており、Huawei製のスマートフォンとシームレスに統合して多機能な旅行アシスタントとして機能します。例えば、配車やフライトに関するすべての情報を手首で確認可能。100を超えるワークアウトモードをサポートするプロレベルのフィットネス&ヘルスマネージャーとしても機能し、幅広いヘルスケアサポート機能も提供します。高精度の温度センサーを搭載しているため、皮膚温度を監視することも可能。落下検知機能やSOS機能もサポートしているため、ユーザーはリアルタイムで健康状態を監視・管理可能です。

HUAWEI WATCH 3シリーズのハイエンドモデルとなる「HUAWEI WATCH 3 Pro」は、スマートモードで5日間、超ロングバッテリーライフモードで21日間のバッテリーライフを実現しています。ミドルレンジモデルの「HUAWEI WATCH 3」は、スマートモードで3日間、超ロングバッテリーライフモードで14日間のバッテリーライフを実現しています。


The Vergeによると、HUAWEI WATCH 3の販売価格は349.99ポンド(約5万4000円)、HUAWEI WATCH 3 Proの販売価格は499.99ポンド(約7万8000円)、イギリスで2021年6月28日に発売予定です。

◆HUAWEI MatePad Pro
HUAWEI MatePad Proは記事作成時点で市場に出ているすべてのタブレットの中で最も高い画面比率(90%)の、OLED FullViewディスプレイを有した端末。非常に高い色精度を実現しており、プロレベルのモニターに匹敵する鮮明さ、1対100万の超高コントラスト比、DCI-P3色域もサポートしています。

心臓部にはKirin 9000シリーズのチップセットを搭載しているだけでなく、PCとのマルチスクリーンコラボレーション機能もサポート。タブレットはミラーモードでお絵描きボードになることも可能で、エクステンドモードではモニターになります。デバイス間でのファイルのドラッグ&ドロップにも対応しており、効率的で協調的なマルチデバイスエクスペリエンスを実現しています。

さらに、HUAWEI MatePad Proと共に第2世代「HUAWEI M-Pencil」も発表されています。超低遅延を実現するプラチナコーティングのペン先を備えており、4096レベルの筆圧感知にも対応。入力ボックスの手書き文字をリアルタイムでデジタルテキストに変換する「FreeScript」をサポートしており、ダブルタップによる切り替え、インスタントシェイプ、インスタントテーブルなどのインテリジェントなインタラクションにより、手書き入力がよりシームレスで自然になります。


The Vergeによると、HUAWEI MatePad Proは2021年6月10日に中国で発売予定で、販売価格は12.6インチWi-Fi・128GBモデルが4999元(約8万6000円)、10.8インチWi-Fi・128GBモデルが3799元(約6万5000円)。HUAWEI M-Pencilも同日に599元(約1万円)で発売されます。

この他、HarmonyOS 2を搭載する次世代スマートフォンのフラグシップモデルとして、HUAWEI P50シリーズをリリースすることも発表されています。ただし、詳細なスペックや価格、発売日などは明かされていません。Huaweiは「モバイル写真を新しいレベルに引き上げる」とだけ宣伝しており、前モデルとなるP40 Pro Plusよりも大きなセンサーサイズとレンズのカメラを搭載したモデルの登場が予想されています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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