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Huawei製スマホに搭載予定の独自OS「HarmonyOS」は実質的にほぼAndroidであるとの指摘

by Kārlis Dambrāns

Huaweiは、アメリカから「国家保障上の脅威」に指定されたことでアメリカ企業との取引停止を余儀なくされており、自社製スマートフォンのOSにAndroidを採用できないことから、独自の「鴻蒙OS(HarmonyOS)」を開発して搭載する予定であることを発表しています。ところが、ニュースサイト・Ars Technicaが調査を行い、「HarmonyOSはほとんどAndroidのフォーク(派生)である」と報じています。

Huawei’s HarmonyOS: “Fake it till you make it” meets OS development | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2021/02/harmonyos-hands-on-huaweis-android-killer-is-just-android/


Huawei’s HarmonyOS appears to just be a forked version of Android - The Verge
https://www.theverge.com/2021/2/2/22262527/harmonyos-huawei-us-ban-android-google-ars-technica

アメリカと中国との対立が深まったことでGoogleとHuaweiの取引も停止されたため、多くのHuawei製スマートフォンはAndroidを搭載しているにもかかわらず、Google PlayなどのGoogle製サービスが利用できなくなってしまいました。こうした状況を受けてHuaweiは、Androidの代替となる独自OSとしてHarmonyOSの開発を進めています。


Huaweiは「HarmonyOSはAndroidとは違う新たなOSである」と繰り返し強調しており、消費者ソフトウェア部門の社長を務めるWang Chenglu氏も2021年1月のスピーチで「HarmonyOSはAndroidのコピーでも、iOSのコピーでもない」と主張しています。HarmonyOSの開発はかなり進んでいるようで、2021年中にはHuawei製スマートフォンに搭載される見込みです。

Huawei製の独自OS「HarmonyOS」が2021年中にHuawei製スマホに搭載される可能性 - GIGAZINE


2020年12月にはHarmonyOSの「バージョン2」がリリースされ、ベータ版としてスマートフォンに搭載できるようになったことを受けて、Ars Technicaのライターを務めるRon Amadeo氏は実際にHarmonyOSをレビューすることにしました。しかし、中国国内では一部のHuawei製スマートフォンから一種のクローズドベータ版としてHarmonyOSに切り替えることができるものの、外国からHarmonyOSにアクセスすることは非常に困難だそうです。

外国からHarmonyOSのソフトウェア開発キット(SDK)を試すためには、まずHuawei.comのアカウントを作成し、名前・住所・メールアドレス・電話番号・パスポートの写真・クレジットカードの写真を送信する必要があります。Huaweiの担当者は手動で申請者のレビューを行うようで、SDK入手までには1~2営業日かかるとのこと。

一連のプロセスはAndroidやiOSと比較して非常に面倒かつ時間がかかるものであり、HarmonyOSの潜在的な開発者もわずらわしいプロセスに嫌気が差し、AndroidやiOSの開発に戻るだろうとAmadeo氏は指摘。「これは私が今まで見たOSの中で最悪の第一印象です」とAmadeo氏は述べています。

なんとか手続きを終えたAmadeo氏はようやくHarmonyOSのSDKにアクセスできましたが、HarmonyOSのエミュレーターはローカルで実行できるものではなく、インターネットを介した「リモートエミュレーター」だったとのこと。エミュレーター上でUSBデバッグを有効にするとエミュレーター全体が停止することから、Amadeo氏はエミュレーターがテスト装置に接続された実物のスマートフォンを使用したものだと考えています。エミュレートされたスマートフォンは中国語で起動し、SIMカードは中国の電話番号であり、中国のネットワーク上にあるそうです。

実際にAmadeo氏が撮影したHarmonyOSエミュレーターの画面がこれ。

by Ron Amadeo

端末情報をチェックすると「HarmonyOS」と表示されていますが……


システムアプリ情報画面を見ると、「Android Services Library」「Android Shared Library」「com.Android.systemui.overlay」「Androidhwext」など、Androidのシステムアプリが大量に見つかります。また、「Android」を「HarmonyOS」に置換しただけのアプリも多数見つかったとのことで、HarmonyOSには非常に多くのAndroidシステムコンポーネントが搭載されている模様。

by Ron Amadeo

また、「HarmonyOS System」のアプリ情報を見ると、HarmonyOSはAndroidと同じ形状のシステムアイコンで示されている上に、「バージョン2」のはずなのに「バージョン10」と表示されていました。これはHarmonyOSがAndroid 10に基づいたOSだからだとAmadeo氏は考えています。

by Ron Amadeo

Amadeo氏は数時間にわたってHarmonyOSを調査しましたが、Androidと比較して実質的な変更点を見つけることができなかったとのこと。AmazonのKindleなどに搭載されているFire OSもAndroidのフォークですが、Amazonの場合は明確に「FireOSはAndroidのフォークである」と述べており、Huaweiも同様に「HarmonyOSはAndroidのフォークだ」と説明するべきだと主張しています。

また、Amadeo氏は2021年中に出荷される予定である「HarmonyOS搭載のHuawei製スマートフォン」についても言及。HarmonyOSが実質的にAndroidのフォークである以上、問題なく出荷されるだろうと述べました。

なお、実際にHarmonyOSをかつてHuaweiが開発したAndroidベースのモバイル端末向けOS・EMUIと比較したムービーがこれ。HuaweiはEMUIと非常によく似ていることが指摘されています。

EMUI11 vs HarmonyOS 2.0 - YouTube

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by log1h_ik

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