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Microsoftが文章生成AI「GPT-3」をビジネスアプリ作成ツールに統合すると発表、文章形式でアプリ作成が可能に


高精度の文章を作れる文章生成AI「GPT-3」を、Microsoftがビジネスアプリ作成ツール「Microsoft Power Apps」に統合することを発表しました。これにより、コーディングの知識を持たないユーザーでも、文章形式でアプリを作成できるようになるとのことです。

From conversation to code: Microsoft introduces its first product features powered by GPT-3 - The AI Blog
https://blogs.microsoft.com/ai/from-conversation-to-code-microsoft-introduces-its-first-product-features-powered-by-gpt-3/

Microsoft has built an AI-powered autocomplete for code using GPT-3 - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/25/22451144/microsoft-gpt-3-openai-coding-autocomplete-powerapps-power-fx

2020年9月、MicrosoftはOpenAIとの継続的なパートナーシップを拡大してGPT-3の独占的ライセンスを取得しました。Microsoftのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントであるケヴィン・スコット氏は、「Azureを基盤とするAIプラットフォームを拡大するための素晴らしい機会だと思います」と述べ、クラウドコンピューティング事業「Microsoft Azure」での使用を示唆していました。

Microsoftが世界トップクラスの言語モデル「GPT-3」の独占的ライセンスを取得 - GIGAZINE


そして2021年5月25日に、MicrosoftはGPT-3をMicrosoft Power Appsに統合することを発表しました。Microsoft Power Appsは、企業顧客向けに「ローコード・ノーコード」でのアプリ作成を実現するソフトウェアスイートとして提供されているサービスであり、熟練したプログラマーを雇用できない企業でもデータの分析や視覚化、作業の自動化を行うアプリを作成できるとのこと。

Microsoft Power Appsは表計算ソフトのMicrosoft Excelにルーツを持つ「Microsoft Power Fx」というローコード開発向けプログラミング言語を採用し、PowerPointのように直感的な操作でアプリ作成が可能です。基本的にはドラッグやクリックなどでアプリを作成できますが、複雑なデータクエリを作成するにはPowerFxを理解し、多少のコーディングを行う必要がありました。

そこでMicrosoftは、文章生成AIであるGPT-3をMicrosoft Power Appsに統合することにより、文章形式で複雑なデータクエリの作成をサポートする機能を追加することにしました。これにより、ユーザーが「名前が『kids』で始まる製品を見つける」「商品名に『ベビーカー』が含まれる10件の注文を表示し、購入日が最新のものを一番上にして並び替える」といった文章を入力するだけで適切なコードが作成されるようになると、Microsoftは説明しています。

たとえば、「Show me the Customers from the U.S. whose subscription is expired(サブスクリプションの有効期限が切れたアメリカの顧客を表示して)」と入力すると……


GPT-3搭載の支援機能を実装したMicrosoft Power Appsが、文章に応じて適切なPowerFxのコードを表示してくれる仕組みです。Microsoftでローコードアプリ作成プラットフォームを担当するCharles Lamanna氏は、「このような高度なAIモデルを使用することで、私たちのローコードツールが本当にノーコードと呼ばれるものになり、さらに多くの人々に利用されるようになります」と述べています。


通常のプログラミング言語は小さなエラーがシステム全体に影響することが珍しくないため、「AI支援ツールがエラーを生み出す可能性がある」という点が導入における障害となっていました。ところが、Microsoft Power Appsが採用するPowerFxは、Excelを元にした単純なプログラミング言語であるため、柔軟性に乏しいもののAI支援ツールによるエラーが発生しにくいとのことで、GPT-3を使ったオートコンプリート機能を採用するのに適しているそうです。

Lamanna氏は海外メディアのThe Vergeに対し、「デジタルソリューションに対する大きな需要がありますが、十分なコーダーがいません。アメリカだけで数百万人の開発者が不足しています。では、世界にコーディングの方法を学ばせる代わりに、開発環境に普通の人間の言葉を話させてみるのはどうでしょう?」とコメント。GPT-3を使用した新機能は、2021年6月末までに北米全土でプレビュー版が利用できるようになるとのこと。


アプリ作成ツールにGPT-3を統合するという手法によって何百万人ものユーザーが時間を節約できるようになるほか、プログラミング言語の知識を持たない人が以前は作れなかったアプリを構築できるようになります。Lamanna氏は初めてGPT-3による支援ツールのプロトタイプを使用した際、ぞっとするほど素晴らしいと感じたそうで、「私は長い間、テクノロジーを使ってこのように感じたことはありませんでした」と述べています。

GPT-3のような文章生成AIには、訓練に使用するデータセットなどの問題からさまざまなバイアスが存在することが指摘されていますが、Microsoftは支援ツールが応答しない単語やフレーズのリストを作成したり、問題があると思われるアプリの作成を検出するフィルターを搭載したりといった対策を取っているとのこと。

また、MicrosoftはPowerFxをMicrosoft Power Apps以外のツールにも導入することを計画しており、GPT-3による支援ツールは他の製品にも拡張される予定です。The Vergeは、PowerFxがExcelを元にしたプログラミング言語だったことに触れ、最終的にはExcelにも同様の機能が統合される可能性もあるという見解を示しました。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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