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AppleのM1搭載「24インチiMac」レビューまとめ、驚愕の薄さと高いパフォーマンスを両立した所有欲を刺激するMac


2021年4月21日に配信されたApple新製品発表イベントの中で発表された、M1搭載iMacM1搭載iPad Pro、新型Apple TV 4Kという3つの新製品が、2021年5月21日(金)から店頭販売開始となります。これに先立ち、海外メディアからM1搭載で生まれ変わったiMacのレビューが続々登場しているのでまとめてみたところ、M1搭載Macが登場した時のように大きなインパクトをメディアに残していることがわかりました。

2021年に発表されたM1搭載のiMacは、前モデルとなる2019年発売の21.5インチiMacと比べると、チップだけでなくさまざまな要素で優れています。M1搭載の24インチiMacの詳細なスペックを21.5インチiMacと比較すると、以下の記事の通りになります。

M1チップ搭載で生まれ変わった新型「iMac」とIntelチップ搭載iMacのスペックを比較 - GIGAZINE


The Vergeは、M1搭載24インチiMacの特に優れた点として「優れたプロセッサ(M1チップ)」「カラフルで滑らかなデザイン」「優れたウェブカメラ(1080pのFaceTime HDカメラ)」の3つを挙げています。

複数のベンチマークが示している通りAppleのM1チップは非常に高性能で、4つの非常に高速なコアと4つの低電力な高効率コアを有しています。The Vergeは「これによりM1を搭載したMacは間違いなく世界最高のワット当たりのパフォーマンスを実現できます。また、これはシングルコアのワークロードではほぼ無敵であることも意味します」と記し、改めてM1チップを称賛しました。加えて、M1搭載MacBook Airでは高いコンピューティング能力を必要とするような作業を行うと熱がこもりパフォーマンスが低下したそうですが、M1搭載iMacでは優れた空冷システムにより「パフォーマンスの低下はなかった」とThe Vergeは記しています。また、冷却効率が高いだけでなく、ファンの駆動音も2019年のiMacよりも静かであるため、「生活の質が大幅に向上します」とThe Verge。加えて、M1チップの利点はパフォーマンスの高さではなく、「パフォーマンスの高さと効率の高さの組み合わせ」であり、MacBook AirやMacBook Proの場合はその利点が「バッテリー寿命」という形で現れているのに対し、iMacやMac miniでは空冷システムと組み合わせることで「ワット当たりのパフォーマンス」という形で現れていると称賛しました。また、「パフォーマンスの高さと効率の高さの組み合わせ」により、既存の空冷システムのような大きなサイズのファンが不要となり、非常に薄い端末に仕上がったことがわかるとThe Vergeは記しています。

一方で、悪い点としては「限られた入出力ポートの選択肢」「価格」「購入後はアップグレード不可能」の3つが挙げられました。


特に、24インチiMacでは入出力ポートが2つのものが最も安価ですが、それでも価格は税込15万4800円となっており、入出力ポートが4つのものに至っては最低でも17万7800円からとなっています。そのためThe Vergeは「iMacはお金がかかります。Mac miniは外部ディスプレイに接続する必要がありますが、M1搭載iMacと同等のパフォーマンスが得られ、それでいて数万円を節約することができます」と記し、価格面ではMac miniの方が優れていると指摘。ただし、iMacの場合はディスプレイ・カメラ・スピーカー・マイク・キーボード・マウスといったあらゆるアクセサリーも含まれるため、机の上に置くだけですべてが完結する点をThe Vergeは称賛しており、「ユーザーは単純さのためにお金を払うことになります」と記しています。

iMac M1 2021 review: the all-in-one for almost everyone - The Verge
https://www.theverge.com/22440059/apple-imac-m1-2021-24-review


ウォール・ストリート・ジャーナルは、「AppleはiPhone時代のためのクールなデスクトップコンピューターを構築しました」「20年前の祖先と同じように、24インチiMacは明るいカラーの本体、キーボード、マウスが一致する状態で入手できます。最新のiMacははるかに進化しており、重量は初代の3分の1、解像度は24倍、ストレージは少なくとも50倍になりましたが、その使命は変わりません。デスクトップコンピューターと呼ばれるものを『使用したい』と思わせるように誘惑することです」と称賛しています。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは24インチiMacの優れた点として「iMacはiPhone 12 Pro並みに薄い」「新しいMagic KeyboardにTouch IDが搭載されている」「MacBook ProやiPhone 12のインカメラよりも高性能なFaceTime HDカメラ」「Microsoft Edgeで30以上のタブを開き、SlackやZoom、Google Meetを使ってビデオ通話を行い、Apple Musicで音楽を再生し、Microsoft Wordやメモアプリを使ってテキスト入力を行っても、iMacから激しくファンが回る音すらしない静音性」「Chromeで100個のタブを同時に開くテストを行っても低下する兆候さえみられないパフォーマンスの高さ」などを挙げています。

一方で、悪い点としては「Magic Mouseの底面にケーブルを挿して充電しなければいけない」「Touch ID搭載のMagic Keyboardが別売りされていない」「SDカードスロットがない」「LANポートが電源アダプタにある」「タッチスクリーンを搭載していない点」などが挙げられています。

M1 iMac 24-Inch Review: Apple Built a Cool Desktop Computer for the iPhone Era - WSJ
https://www.wsj.com/articles/m1-imac-24-inch-review-apple-built-a-cool-desktop-computer-for-the-iphone-era-11621342802


テクノロジーメディアのEngadgetは、M1搭載iMacの長所として「M1チップ」「美しい24インチRetinaディスプレイ」「カラフルで個性的な本体カラ―」「非常に薄くて持ち運びしやすい本体」の4つを挙げています。一方で、短所としては「USB-Cポートしかない入出力ポート」「画面の高さを調節することができない」「Magic MouseとMagic Keyboard」の3つを挙げています。「画面の高さを調節することができない」という点が短所として挙げられていますが、VESAマウントアダプタ搭載モデルも用意されているため、モニターアームなどに取り付けることもできます。

Apple iMac M1 review: The ideal portable desktop | Engadget
https://www.engadget.com/apple-imac-m1-review-24-inch-portable-desktop-130026556.html


テクノロジーブログのSix Colorsは、「初代iMacの登場から23年後、そしてカラフルなiMacが消えてから19年後、再びカラフルな楽しみが帰ってきました。Appleの24インチiMacは再び注目を集めるように設計されたコンピューターです」「背面やエッジ、スタンド部分はすべてカラフルになっており、巨大なガラス製のAppleロゴが配されている背面は、見るのがとても楽しいです」と記し、カラフルに生まれ変わったiMacのデザインを称賛しています。また、極薄の本体については「まるで家から逃げ出した巨大なiPadのよう」と記し、その薄さに驚きを隠していません。

24-inch M1 iMac review: She’s a rainbow – Six Colors
https://sixcolors.com/post/2021/05/24-inch-m1-imac-review/


テクノロジーメディアのCNETは、お気に入りの点として「待望の新デザイン&カラー」「軽くて薄いのに、大きなディスプレイ」「優れたウェブカメラ(1080pのFaceTime HDカメラ)」「他のM1チップ搭載Macと同等のパフォーマンス」の4つを挙げ、嫌いな点としては「一部の機能がより高価な構成でのみ使えるようになっている点」「限られたメモリ・ストレージオプション」「アクセサリーの色を自由に変更することができない点」を上げました。

特に鮮やかなカラーリングについて、「カラフルなラインナップは初代iMacへの明確な回帰であり、長い間ファンのお気に入りだった美的感覚が戻ってくるのを見るのは素晴らしいことです」と記し、カラフルなバリエーションの登場を歓迎しています。ただし、本体カラーと同じ色のキーボードやマウスしか注文できないようになっている点には不満を示しており、「最終的には個別に入手できるようになるのでは」と記しました。

なお、CNETはプロユースのユーザーは16GBのメモリや最大2TB以上のストレージが必要になる可能性があるので、将来的に登場するであろうApple Silicon搭載の27インチiMacや16インチMacBook Proの登場を「待つ価値があるかもしれない」と記しました。CNETによれば、これらの新しいMacは2021年後半から2022年にかけて登場する見込みだそうです。

Apple M1 iMac review: A colorful new Mac for the post-quarantine world - CNET
https://www.cnet.com/news/apple-m1-imac-review-a-colorful-new-mac-for-the-post-quarantine-world/


電化製品のレビューサイトであるPocket-lintは、「M1チップの性能についてはすでに知っていたため、そのハイパフォーマンスに驚くことはありませんでした。しかし、新しいiMacは本当に新鮮なデザインを採用しており、これまでのIntelプロセッサーベースのオールインワンPCと比べて、あらゆる次元でレベルアップを果たしています」と、24インチiMacを絶賛。

他にも、スピーカーが非常にクリアで鮮明な音が鳴らせるように進化したことを称賛しています。新しいiMacのスピーカーはドルビーアトモスでの空間オーディオにも対応。ただし、音量を最大まで上げると少し耳障りになるため、本当に大きな音量が必要という場合は外部スピーカーを使用することを推奨しています。

Apple iMac 24-inch (2021) review: Hello again
https://www.pocket-lint.com/laptops/reviews/apple/156930-apple-imac-review-2021-m1-processor


テクノロジーメディアのTechRadarは、24インチiMacについて「ほぼすべての面において2019年の21.5インチiMacを改良したものとなっており、より優れたより大きなディスプレイと新しくモダンでカラフルなデザインに加え、優れたパフォーマンを有しており、それをこれまでと同じ価格で提供しています。あなたが仕事と遊びの両立を狙っているなら、この端末は素晴らしい選択肢となるでしょう」と称賛。そして、特に優れた点として「美しいディスプレイ」「印象的な新しいデザイン」「素晴らしいウェブカメラ」「非常に優れたパフォーマンス」の4つを挙げ、悪い点としては「入出力ポートの少なさ」「Magic Mouseの充電方法」「Mac miniは価格面でより優れている」という3つを上げました。TechRadarもコストパフォーマンスではMac miniの方が優れているとしながら、iMacが前モデルから値上げに踏み切らなかった点を良いニュースとしています。

なお、M1搭載のiMacでは最大でも16GBのメモリしか搭載することができないため、「より多くのメモリを求めている場合は、iMacはあなた向けの端末ではないということです」とTechRadarは記しました。一方で、新しく配信を始めることを考慮しているようなストリーマーなどにとっては、優れたウェブカメラとマイクを搭載しており、動画編集にも使えるため周辺機器に投資する必要がないため良い選択肢になると指摘してます。

iMac (24-inch, 2021) review | TechRadar
https://www.techradar.com/uk/reviews/imac-24-inch-2021


イギリスを代表する消費者ライフスタイルウェブサイトであるT3は、24インチiMacを「世界で最もクールなデスクトップ」と表現しながらも、「素晴らしいディスプレイと高いパワーを備えた見栄えの良いマシンではあるものの、いくつかの制限もあります」と記し、一部の不満点を指摘しています。T3は不満点について「低価格モデルだと完全なエクスペリエンスを提供するわけではなく、特に入出力ポートの少なさは厄介」と記しました。

なお、T3が挙げる24インチiMacを購入すべき理由は、「4Kよりも優れた美しいディスプレイ」「美しいデザインとカラー」「非常に速いパフォーマンス」の3つ。一方で、購入を避けるべき理由としては、「最も安いモデルではいくつかの機能が搭載されていない」「USB-Cポートしかない」「GPUと最大メモリが制限されている」という点を挙げました。

Apple iMac 24-inch (2021) review: the world's coolest desktop | T3
https://www.t3.com/reviews/apple-imac-24-inch-2021-review


ハードウェアレビューで定評のあるTom's Guideは、24インチiMacを「優れたスピーカーと優れたウェブカメラ、そして美しいディスプレイを搭載した、細身でありながら高速なマシン」と評しています。さらに、24インチiMacの優れた点として「ゴージャスなディスプレイ」「美しいフルHDウェブカメラ」「豊かで活気のあるオーディオを提供するスピーカー」「高いパフォーマンスを提供するM1チップ」の4つを上げています。一方で、「ディスプレイの高さ調整が不可能」「エントリーモデルには一部の機能がなく、入出力ポートも2つしかない」という点をマイナスポイントとして挙げました。

特に、優れたディスプレイとスピーカーにより、複数人で集まって映画やゲームをiMacで視聴することが合理的なアイデアと感じられるようになっているとしており、Tom's Guideは「ほとんどのコンピューターで、こういったことをするのは現実的ではありません」と記し、新しいiMacの並外れたディスプレイおよびスピーカー性能を称賛しています。Tom's Guideは「とても小さなMagic KeyboardとMagic Mouseが個人的に好きではなく、ディスプレイの高さを調整できない点は背の高い人に対する攻撃のようなものです。そんな風に感じている私でさえ、新しい24インチiMacを使った時間は本当に楽しいものでした」と記し、一部気に食わない点があるものの、それを差し置いても24インチiMacはわくわくできる仕上がりになっていると表現しています。

Apple iMac 2021 review (24-inch): 4K beauty and M1 brawn in one slim package | Tom's Guide
https://www.tomsguide.com/uk/reviews/apple-imac-24-inch-review-beauty-and-brawn-in-one-slim-package

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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