スエズ運河の南入り口で拡張工事がスタート、エバー・ギブンが座礁したエリアも
地中海と紅海を経由して北大西洋と北インド洋をつなぐ人工海面水路のスエズ運河で、南入り口を拡張するための浚渫(しゅんせつ)作業がスタートしました。スエズ運河の南入り口といえば、日本の船舶貸付会社が所有するコンテナ船のエバー・ギブンが座礁した場所です。
Egypt starts dredging works to expand southern entrance of Suez Canal - EgyptToday
https://www.egypttoday.com/Article/1/103957/Egypt-starts-dredging-works-to-expand-southern-entrance-of-Suez
Egypt announces plans to expand Suez Canal where massive cargo ship got stuck - National | Globalnews.ca
https://globalnews.ca/news/7854149/egypt-suez-canal-expansion/
2021年3月23日、日本の船舶貸付会社である正栄汽船が所有し台湾の海運会社の長栄海運(エバーグリーン・マリン)が運航するコンテナ船の「エバー・ギブン」が、スエズ運河の南入り口付近で座礁する事故が発生しました。なお、エバー・ギブンは6日間スエズ運河で座礁しています。
スエズ運河でのコンテナ船事故の一部始終について専門家が解説 - GIGAZINE
エバー・ギブンの座礁により海上物流が停止し、世界中の貿易に約4000億円の影響を与えたとも報じられています。この事故からわずか数週間で、運河の拡張工事がスタートしました。
スエズ運河の運営を行うスエズ運河庁は、2つの浚渫船を用いた河口の拡張工事をアナウンスするムービーを公開しています。今回の浚渫工事により、スエズ運河の南入り口の幅は約40km拡張されることとなるそうです。
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スエズ運河庁のオサマ・ラビー長官によると、拡張工事が行われるのは北入り口から132~162kmまでの平行通路区間および、122~132kmまでの通路区間。また、通路の拡張工事に伴い、運河の深さも127メートルから172メートルに拡張される予定です。なお、エバー・ギブンが座礁したのはスエズ運河の北入り口から151kmの地点であるため、拡張工事の範囲内となっています。
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