サイエンス

ピンク色の水で口をすすぐとランニングのパフォーマンスが向上するという研究結果


「運動のパフォーマンスを上げるためにはどうすればいいのか?」という観点から近年はさまざまな研究が行われており、2019年には「コーヒーを飲むと運動のパフォーマンスが向上する」という研究結果が示されています。そんな中、2021年5月12日付で発表された研究では、「ピンク色の液体で口をすすぐとランニングのパフォーマンスが向上する」という内容が示されました。

Frontiers | Mouth Rinsing With a Pink Non-caloric, Artificially-Sweetened Solution Improves Self-Paced Running Performance and Feelings of Pleasure in Habitually Active Individuals | Nutrition
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2021.678105/full

Bizarre Discovery Suggests Pink Drinks Make People Run Faster, But Why?
https://www.sciencealert.com/bizarre-discovery-suggests-pink-drinks-make-runners-faster-but-why

ラフバラー大学のダニエル・ブラウン氏ら研究チームは、習慣的に運動を行っている男性6人と女性4人の参加者に対し、運動中に「うがい薬」で口をすすいでもらうという実験を実施。実験内容は、参加者にランニングマシーンを使った10分間のウォームアップと5分間隔・計30分間のランニングを行ってもらうというもので、参加者にはランニング中何度か「うがい薬」で口をすすいでもらい、運動中のパフォーマンスに変化がないかが調べられました。


用意された「うがい薬」は2種類。しかし、参加者には「うがい薬」と伝えられましたが、実はどちらも人工甘味料で味付けされた、栄養素を含まないただの甘い水でした。2種類の「うがい薬」のうち1つは透明、もう1つは着色料によりピンク色に着色されていました。

参加者らは運動の主観的負担度を数字で表す自覚的運動強度(RPE)のうち、「きつい(15)」と感じるペースで5分間ランニングを行った後、5秒間うがい薬で口をすすぐよう指示されました。その後、再び「きつい」と感じるペースでランニングを行い、口をすすぐことを繰り返しました。実験は1週間に1回、計3回行われ、1回目は「ただの水」、後半2回では、それぞれの参加者が無色とピンク色のうがい薬を1回ずつ使用しました。

調査の結果、10人が30分間で走った総距離は、無色のうがい薬で口を注いだ場合は4019~5651mであったのに対し、ピンク色のうがい薬で口をすすいだ場合は4252~5842mと、少し距離が伸びたとのこと。また、参加者がランニング後の気分を自己評価したところ、10人中6人が「ピンク色の液体で口をすすいだ時は気分が良くなり、より長く走れた気がした」と語ったとのこと。


ブラウン氏らは「プラシーボ効果により、ピンク色の液体の方が透明の液体よりも甘く感じられたのではないか。甘い水には糖分が含まれているという錯覚から、ピンク色の水で口をすすいだ時に、糖分を摂取したと脳が勘違いしたのではないか」と推測しています。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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