Google Chrome 90安定版リリース、AV1エンコーダー搭載で細い回線でのビデオ会議の品質が向上
ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン90がリリースされました。WebRTCにAV1エンコーダーが採用されたことで、ビデオ会議を行う際に使用する帯域の量が減少しています。
New in Chrome 90 - Chrome Developers
https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-90/
New in Chrome 90: Overflow Clip, Permissions Policy, the Declarative Shadow DOM, and more! - YouTube
◆AV1エンコーダー搭載
圧縮率が高く、少ない帯域で高画質の映像を送受信できる「AV1」エンコーダーが搭載され、WebRTCを用いたビデオ会議の品質が向上しています。
◆はみ出した要素の表示方法の指定に「clip」が追加される
はみ出した部分を表示しなくなるという、「overflow: hidden」と同様の動作を見た目上は行いますが、内部的な動作が異なっており、「overflow: clip」ではJavaScriptを用いても一切スクロールができなくなり、その分パフォーマンスが向上するとのこと。
「overflow-clip-margin」というはみ出た部分をどこまで表示するのかを決められる新たなプロパティも登場しています。
◆「Feature Policy」が「Permissions Policy」に名前変更
Feature PolicyはChrome 74で導入された機能で、ロケーションAPIなどユーザーの許可が必要なブラウザの機能についてのサイト内での利用を定めたものです。Chrome 90では名前が「Permissions Policy」に変更されたほか、構文もHTTPヘッダの情報に構造を与えるStructured Field Values for HTTPに基づいて変更されているとのこと。
◆Shadow DOMがHTMLに登場
Shadow DOMはDOM全体から特定のサブツリーを切り離してカプセル化を行うための機能ですが、これまではJavaScriptからしか作成できませんでした。Chrome 90ではshadowroot属性を持つ「<template>」要素を用いることでHTMLからもShadow DOMを構築可能になります。
◆アドレスバーにURLを入力した場合のデフォルト動作が「http」から「https」に変更
httpsでアクセス可能なサイトの多くは、httpでアクセスした場合にhttpsに転送される設定になっています。デフォルトの動作がhttpsになることでこうした転送の手順をスキップできるためアクセス速度の向上につながるとのこと。
◆開発者向けのアップデート
・flexbox専用のデバッグツールが登場
・Core Web Vitalsのオーバーレイが使用可能に
「Ctrl + Shift + P」でコマンドメニューを開き、「Show Rendering」を実行して「Core Web Vitals」のチェックボックスをオンにすることで表示可能です。
・正規表現の「d」フラグを利用可能に
「.indices」プロパティからマッチした部分のインデックス情報を取得することが可能になります。
また、Chrome 90には2個のセキュリティバグフィックスが含まれています。
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