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1100億円の補償金を日本企業が支払わない限り「エバー・ギブン」と25人の乗組員は解放されない可能性がある

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エジプトは、スエズ運河を6日間にわたってふさいだコンテナ船「エバー・ギブン」に関して、「所有者である正栄汽船が補償金を支払わない限り、エバー・ギブンを解放しない」という方針を固めました。

Suez Canal Has Reopened, but Ever Given Isn’t Free to Go - WSJ
https://www.wsj.com/articles/suez-canal-has-reopened-but-the-ever-given-is-stuck-again-11617898144

The Suez Canal has reopened, but the Ever Given is not free to leave - FullAvanteNews
https://fullavantenews.com/the-suez-canal-has-reopened-but-the-ever-given-is-not-free-to-leave/

2021年3月23日、海上輸送の要衝であるエジプトのスエズ運河で、日本の船舶貸付会社である正栄汽船が所有し、台湾の海運会社の長栄海運(エバーグリーン・マリン)が運航するコンテナ船「エバー・ギブン」が座礁する事故が発生。6日間にわたって船舶の往来を遮断しました。

by kees torn

2021年4月8日、スエズ運河庁のオサマ・ラビー長官は「事故の調査が終わり補償金が支払われるまで、船はスエズ運河にとどまる」と発言しました。この際、具体的な金額は明かされませんでしたが、ラビー長官は2021年3月31日に「輸送費や運河の通行料金、浚渫(しゅんせつ)作業などの補償金として、10億ドル(約1100億円)を要求する」と発言しています。座礁事故の影響でスエズ運河を通行できなかった船舶の数は400隻以上とみられ、金融分析会社「Revenitiv」の分析によると、今回の封鎖でエジプトは9500万ドル(約104億円)の通行料金を失っています。

この報告を受けた正栄汽船の広報担当は「損害賠償や訴訟の正式な報告は受けていない」と述べています。なお、正栄汽船は法定責任を制限するためにロンドン高等裁判所に訴訟を起こしています。この訴訟は正栄汽船を原告、長栄海運およびスエズ運河の事故で損害賠償を主張するすべての人を被告としていますが、正栄汽船の広報担当は「これは保険金請求の通常のプロセスの一環であり、特定の誰かを標的にするものではない」と説明しています。


4月8日時点で、エバー・ギブンと25人の乗組員はスエズ運河のグレートビター湖に停泊中です。論争が長引くことによる乗組員の安全も懸念されていますが、国際運輸労連のスティーブン・コットン長官は「乗組員はよい待遇を受けているようだ」と語っています。

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in 乗り物, Posted by log1p_kr

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