3万円台の格安ノートPC「Acer Chromebook Spin 311」使用レビュー、天板が360度回転してタブレットに変身する2in1型
AcerからGoogle Chrome OSを搭載した2in1タイプのノートPC「Acer Chromebook Spin 311」が2020年10月に登場しています。税込3万円台で購入できるというエントリー価格のこのモデルを、実際に使っていろいろチェックしてみました。
Spin 311 | acer
https://acerjapan.com/notebook/chromebook/spin311/
◆外観
外箱はこんな感じ。
内容物は本体とACアダプタのみ。
本体のカラーはシルバーメタリックで、表面はややザラつきを感じる手触り。ディスプレイ背面にはChromebookとAcerのロゴが描かれています。
本体寸法は約290.0×18.8×206.0mm。正面側にはスイッチやポートなどはありません。
向かって右側面には、音量調節キー、USB 2.0ポート、Kensingtonロック用のセキュリティスロットがあります。
左側面にはDC入力端子付きUSB Type-C ポート、イヤホンやスピーカー用の3.5mmステレオミニジャック、電源ボタン。
付属のACアダプターを差し込むと、以下のように電源ボタンのランプが点灯します。アクセスランプなどはなく、本体で光るのはココのみ。
ディスプレイを開くとこんな感じ。画面サイズは11.6インチで、解像度は1366×768ピクセル。ベゼル部分は実測で左右14mm×上側15mm×下側25mmと、最近のデバイスとしてはややベゼルが大きい印象。
Acer Spinシリーズの特徴はディスプレイ部分が360度まで開くという点。
ディスプレイはタッチパネルとしても使えるので、完全に開いてタブレットのようにも扱えます。
キーボード側を支えにして、自立させることも可能。
キーボードは右側のEnterキー・「¥」キー・BackSpaceキーがやや小さめで、左側のCTRLキー・Shiftキー・ALTキー・TABキーなどが大きめ。タッチパッドは下段中央。
底面はこんな感じ。手前側にある穴はスピーカー孔で、排熱用のスロットは存在しません。
重量は実測1062g。
ACアダプターも含めると、1321gでした。
実際に持ってみると、平べったい形状なので、片手の場合は持ち手部分と重心の位置が遠く、ちょっと危なげ。
Chrome OSの初期設定は、無線LANの接続設定とGoogleアカウントの入力、利用規約の同意などで、それほど手間はかかりません。
◆Geekbench 5でベンチマーク
Chrome OSは、Windows向けの各種有名どころのベンチマークには対応していないため、スペックやスコアを直接比較することがやや困難です。しかし、一部のAndroidアプリに対応しており、Android版のGeekbench 5も動作したので、ベンチマークを実行することにしました。なお、ネイティブ動作ではないため、結果はあくまで参考として捉えてください。
結果はこんな感じ。シングルコアのスコアは「260」でiPhone 5s相当で、マルチコアのスコアは「918」でiPhone 6s Plus相当。昨今登場したエントリークラスの中でも、スペック的にはかなり厳しいものがある印象。
システム情報はこんな感じで、内部的にはAndroid 9扱いの様子。プロセッサーはオクタコアのMediaTek製で、周波数は1.99GHz。搭載メモリは4GB。
シングルコアスコアの詳細は、暗号化処理が「340」、整数演算が「276」、浮動小数点演算が「212」。
マルチコアスコアの詳細は、暗号化処理が「1290」、整数演算が「951」、浮動小数点演算が「783」。
◆使用時の温度
負荷試験中に「FLIR ONE」を使って、外部の温度もチェックしてみました。表側はディスプレイが温かく、33度ほど。
ACアダプタは28.6度。
背面は25.2度。
底面が以下。
一部が熱くなっているように見えますが、27.7度。ディスプレイ部分がわずかに30度を超える程度で、全体的に高温になることはありません。
◆Androidアプリを使ってみた
Spin 311に搭載されたChrome OSはAndroid OSと互換性があり、Android向けアプリの一部に対応しています。実際にどの程度のAndroidアプリが扱えるのか、実際に使ってみました。
Spin 311では以下のように、Google Playストアがデフォルトでインストールされています。
というわけで、Google PlayストアからAndroidアプリをダウンロード&インストールして使ってみます。当然ながらYouTubeなどのGoogle製アプリは問題なく動作します。
Twitchも利用可能。Spin 311ではムービーの閲覧などは問題なく行える印象。
一方、TikTokは以下のように左右に黒塗り部分が発生してしまいましたが……
Shift+CTRL+回転キーで画面を縦向きにすると解消できます。
マクドナルドアプリなども縦向きで正常動作。
Twitterなどは横向きでも問題なく閲覧可能。
Amazonアプリも無事使えました。
一方、3D表現が多彩で動作が重たいスマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」はタイトル画面の前後でクラッシュします。
「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」は、きっちりタイミング調整したつもりなのですが、プレイ中にノートと音がズレる現象が発生。ちょっとプレイするには向いていない環境という印象です。
一方、動作が軽快な2Dゲーム「勇者の飯」は正常にプレイ可能。
「クッキークリッカー」も画面が縦向きの場合はクッキーが画面をブチ抜くかのような巨大さになってしまい、プレイできませんが……
画面を縦向きにするとプレイ可能でした。
ゲームに関しては負荷が軽いものしか満足にプレイできない印象ですが、文書作成やショッピング、ムービー鑑賞などの主要なアプリは問題なく動く様子。ただしあくまで「互換性がある」というだけなので、全てのAndroidアプリの動作が保証されているわけではない点には注意が必要です。
使ってみると、Chrome OSの使用感はAndroidに近く、状況に応じていつでもタッチパッド/キーボードとタッチパネル操作を切り替えられるという点が便利で、「キーボード一体型のAndroidタブレット」という使い心地。スペック的には最低限ですが、文書作成やムービー鑑賞程度では大きな問題が生じることはないため、まさしくエントリーモデルといった印象でした。
今回レビューした「Acer Chromebook Spin 311 CP311-3H-A14N」は、ビックカメラ.comやソフマップ.com、ヨドバシ.comなどの家電量販店などで購入可能。ヨドバシ.comでは税込3万1500円で販売されていました。
ヨドバシ.com - Acer エイサー CP311-3H-A14N [Chromebook Spin 311 11.6型/MediaTek M8183C/メモリ 4GB/eMMC 32GB/ドライブレス/Google Chrome OS/ピュアシルバー] 通販【全品無料配達】
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