パーツの交換・修理が簡単に行えるモジュール交換式ノートPC「Framework Laptop」が登場
「可能な限り家電製品の寿命を伸ばし、産業廃棄物を削減すること」を使命に設立されたハードウェアスタートアップのFrameworkが、「性能・品質・スタイルを犠牲にすることなく長持ちするよう設計された家電製品の時代が到来しました」として、一部のパーツを交換したり修理したりが簡単に行えるノートPC「Framework Laptop」を発表しました。
Framework Marketplace | Introducing the Framework Laptop
https://frame.work/blog/introducing-the-framework-laptop
Framework startup designed a thin, modular, repairable 13-inch laptop | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2021/02/framework-startup-designed-a-thin-modular-repairable-13-inch-laptop/
「Framework Laptop」は他のノートPCでは不可能な方法でパーツをアップグレードしたり、カスタマイズしたり、修理したりできるという「薄くて軽量で高性能な13.5インチノートPC」です。筐体は精密にフライス加工されたアルミニウム製のハウジングを採用しており、厚さは15.85mm、重量は1.3kg。MacBookのようなスタイリッシュな見た目です。OSはWindows 10 HomeあるいはWindows 10 Proを採用。さらに、ガジェット好きのためにFramework Laptop DIY Editionも登場予定で、Windows以外にLinuxやLinuxのディストリビューションをインストールすることも可能となります。
ディスプレイのサイズは13.5インチ、縦横比は3:2、解像度は2256×1504ピクセルです。ディスプレイ上部には1080p・60fpsに対応したウェブカメラが搭載されており、バッテリー容量は55Wh。キーボードは1.5mmのストロークがある「打鍵感の良いもの」に仕上げたとのこと。
他にもWi-Fi 6Eに対応しており、メモリ(RAM)は最大64GBのDDR4メモリ、ストレージ(ROM)はNVMe Gen4 SSD以上のもの、CPUは第11世代Intel Coreプロセッサを採用しています。
また、必要な外部接続用のポートをFramework Laptopの好きな側面に配置することができる「拡張カードシステム」を採用しており、USB-C/USB-A/HDMI/DisplayPort/MicroSDカードスロット/ハイエンドヘッドフォン用アンプなど、好きな接続端子を4つまで選んでノートPC本体側面に配置することが可能。
拡張カードシステムは以下のような正方形のカード式のモジュールとなっています。
実際に拡張カードシステムを交換する様子は以下の画像をクリックするとGIF画像でチェックできます。まるでSDカードを抜き差しするかのように、ポートの種類を変更可能です。
ソケットストレージ、Wi-Fi、メモリだけでなく、メインの基板そのものを交換することもできます。つまり、新しい世代のCPUが登場した際に、CPUを丸ごと新しいものに交換することもできるというわけ。つまり、専用パーツをアップグレードしていけば、Framework Laptop本体自体は通常のノートPCよりも長く使えるわけです。
Framework Laptopの筐体部分は1本のドライバーで簡単に開けられるように設計されています。
さらに、バッテリー・ディスプレイ・キーボードなどの頻繁に使用するパーツは磁気を用いて取り付けられており、いつでも手軽に交換可能。また、各アイテムにはバーコードがついており、これを読み取ることでウェブ経由で説明書をチェックしたり、公式ウェブストアの交換用パーツのページにアクセスしたりすることができます。
海外メディアのArs TechnicaはFramework Laptopについて、「近年のノートPCは非常にスリムで軽量になっていますが、その影響で修理性や構成の幅は低くなっています。それに対して、Framework Laptopは過去のより修理しやすく構成の幅が広いノートPCとして現代に登場しようとしています」「DellのXPS 13シリーズと同等かわずかに優れているくらいのスペックです。XPS 13よりも0.1kg重く、1.1mm厚くなりますが、ほとんどの人にとってそれが大きな問題になるとは思えません」と記しています。
加えて、パートナー企業が専用ストア上でFramework Laptopと互換性のあるモジュールを販売できるようにするとのことで、エコシステムの拡充も進められていくとのことです。
なお、Framework Laptopはその他のスペック・価格設定・予約注文のタイミングなどは明かされていませんが、2021年夏に出荷予定とされています。
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