サイエンス

新型コロナワクチンを注射した際になってしまう「COVID腕」とは?


モデルナ製新型コロナウイルスワクチンを接種した患者から「注射した側の腕に赤い発疹ができた」という報告が上がっています。この症状は通称「COVID Arm(COVID腕)」と呼ばれるもので、専門家は「無害なので気にする必要はない」とワクチン接種を継続するように呼びかけています。

'COVID arm': Moderna vaccine rash a harmless side effect, doctors say
https://www.usatoday.com/story/news/health/2021/01/27/covid-arm-moderna-vaccine-rash-harmless-side-effect-doctors-say/4277725001/

New Vaccine Side Effect “COVID Arm” Striking Patients, Say Doctors | Eat This Not That
https://www.eatthis.com/news-covid-arm-vaccine-side-effect/

モデルナ製新型コロナウイルスワクチンの接種後に腕に現れる場合があるのが、以下の画像のような赤い発疹。虫刺されのように局所的に発疹ができる場合もあれば、かなり広範囲にわたって発疹ができるケースも確認されています。なお、この発疹はワクチンの接種後にできるため、正確には「COVIDワクチン腕」と呼ばれるべきといえますが、報道では「COVID腕」の名称が採用されています。


一連の報告によると、COVID腕はワクチンを接種してから5~9日後、平均では7日目に発生することが多いものの、14日目に発生するケースも確認されています。一度発生した場合はおよそ5日間にわたって持続し、触ると痛みを感じる上、しばしばかゆみを伴う場合もあるとのこと。

イェール大学のアリシア・リトル氏は、このCOVID腕は「遅延型皮膚過敏症」と呼ばれるアレルギー反応の一種で、ワクチンが免疫系を活性化させた結果として生じる現象だと解説。ツベルクリン反応検査によって生じる赤色の発疹も、この遅延型皮膚過敏症に該当するそうです。

このCOVID腕の実害について、マサチューセッツ総合病院のエスター・フリーマン氏は「腕に大きな赤い発疹があるというのは楽しい経験ではありませんが、この現象は既知のものであり、無害です」と明言。モデルナ製新型コロナウイルスワクチンは28日の間隔を空けて2回接種することが定められているため、1回目の接種でCOVID腕になったとしても2回目の接種を怠らないように強調しました。

皮膚科領域に関するCOVID-19症例を収集しているフリーマン氏によると、COVID腕の報告は14件しかないそうで、報告漏れを考慮に入れてもまれな現象とのこと。モデルナ製新型コロナウイルスワクチンは血栓が発生するなどの副作用の可能性が取り沙汰されていますが、「COVID腕だけでは『モデルナ製ワクチンの代わりにファイザー製ワクチンを手に入れるべき』と主張する理由にはなり得ません」とフリーマン氏は語っています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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