Appleが中国のアプリ開発者に対し「ユーザー追跡ルールをバイパスしていますよね?」と警告
Appleは、iOSアップデートにより「アプリによるユーザーの行動追跡」をユーザーの許可制にするようポリシーを変更する予定です。これを回避するため、中国企業が独自のデータ追跡システムを構築中だと報じられていたのですが、Appleがこれに対し警告を発しています。
Apple Warns Chinese Tech Companies Not to Circumvent App Tracking Transparency Rules - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/03/18/app-tracking-transparency-chinese-tech-companies/
Apple Warns Developers Against Circumventing App Privacy Labels | Ubergizmo
https://www.ubergizmo.com/2021/03/apple-warns-developers-privacy-labels/
AppleはiOS14.5以降、アプリがユーザーをトラッキングしたり、ユーザーのデバイスの広告識別子にアクセスしたりするには、AppTrackingTransparency(ATT)という機能を通じてユーザーに許可を取る必要が生じる形でポリシー変更を行う予定です。しかし、これはターゲティング広告の精度を下げるものであり、さまざまなアプリ開発企業や広告運営会社が反発の声を上げています。
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2021年3月16日、Financial Timesが、「中国政府の支援を受けるChina Advertising Association(中国広告協会/CAA)が、ATTの機能を回避するための新機能を開発中である」と報じました。CAAは広告識別子のように機能する「CAID」と呼ばれる独自のSDKを作り上げており、CAIDはATTの機能を回避し、ユーザーに許可を求めることなくユーザーデータを追跡できるものと説明されています。
中国企業がAppleのユーザー追跡ルールをバイパスする方法を開発中、「Appleは開発を知りつつも目をつむっている」という指摘も -
2021年3月18日、Financial Timesは新たに「Appleが少なくとも二人の中国のアプリ開発者に警告メールを送信した」と報じました。メールには「私たちは、あなたのアプリがユーザーの一意の識別子を作成するために、ユーザーとデバイスのデータを収集していることを発見しました」と書かれており、アプリ開発者に対し、Appleのポリシーに準拠した更新をアプリに加えるよう指示されていたとのこと。必要な更新をしないと、App Storeのルールに従って14日以内にアプリが削除されるリスクがあります。
Financial Timesは、メールが送られたアプリ開発者は、実際にCAIDを使用していたと報じています。CAIDはTikTokの開発を行うByteDanceや大手企業のTencentもそのテストを行っていると報じられており、CAAは「CAIDはAppleのプライバシーポリシーに違反するものではない」と主張しています。
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