オープンソースのソフトウェアで収益化&生計を立てることに成功した事例
![](https://i.gzn.jp/img/2021/03/15/selling-open-source-software/00_m.jpg)
「オープンソースはお金にならない宿命」とFirefoxの開発元であるMozillaのプログラマーは述べていますが、これとは逆に「オープンソースのソフトウェアで生計を立てることに成功した」という内容がエンジニア向けSNSのIndie Hackersに投稿され、話題を集めています。
How I earn a living selling my open source software
https://www.indiehackers.com/post/how-i-earn-a-living-selling-my-open-source-software-476f6bb07e
Indie Hackersに投稿を行ったNena Furtmeier氏はopen3Aと呼ばれるウェブベースの請求アプリを2007年にオープンソースソフトウェアとして開発しました。
もともとFurtmeier氏は自分用にopen3Aを作成し、ネット上に無料で公開していました。すると当時は同様のアプリがなかったこともあり、open3Aを利用した人が「機能を追加してくれないか」とFurtmeier氏に連絡してきたそうです。
open3Aを開発した時はまだ学生だったというFurtmeier氏は、求められる機能を無料で追加しましたが、後にリクエストした人から謝礼があったとのこと。その後もFurtmeier氏は機能リクエストがあれば追加を行い、謝礼を受け取ることもあれば、無料で行うこともあったと述べています。
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リクエストを元に機能追加を行っていたFurtmeier氏は、open3Aを販売することについて考えを巡らせましたが、いくつかの譲れない信念がありました。Furtmeier氏が当初持っていたという信念は以下の5つ。
1.オープンソースであること
2.ライセンスキーやドングルを使わないこと
3.サブスクリプションでないこと
4.無料版でも回数制限やそのほか制限を設けないこと
5.ほかのソフトウェアを関連させて作業を増やさないこと
この5つの信念を持っていたFurtmeier氏は、まず、ログインやセットアップなしでopen3Aを実際に使えるデモ版をウェブサイトに設置しました。これはopen3Aの主な機能を備えたものだったので、open3Aそのものを気軽に体験することが可能でした。一方でデモ版は1日1回リセットされるため、継続利用には向かないものだったようです。
そして、これとは別に、限りなく制限をなくした無料バージョンについても作成。無料版についてもメールと電話でFurtmeier氏自身が完全サポートしましたが、高度な機能はなし。そして高度な機能を望む人は、オンラインショップで機能を購入できるという構成でした。
このオンラインショップではFurtmeier氏が数年かけて開発した拡張機能が提供され、その価格は24ドル~96ドル(約2600円~1万円)ほど。価格は購入から1年間の拡張機能の更新代を含みました。
![](https://i.gzn.jp/img/2021/03/15/selling-open-source-software/supermarket-online-shopping-shopping-basket-on-a-l-PQQHDQ4_m.jpg)
ポイントは、ソフトウェアのアップデートが「有料の拡張機能全てが入ったZIPファイルをダウンロードすること」で行われるということ。このとき、Furtmeier氏はZIPファイルにソフトウェアだけでなくソースコードを含めたため、「オープンソースを販売する」ということが可能になったわけです。
その後、2013年にはopen3Aをレンタルできるクラウドサービスを導入します。このプランはFurtmeier氏がバックアップやアップデートという技術的なことを請け負うというもので、Furtmeier氏が定期収入を得る方法となりました。
そして2018年には顧客のリクエストによりサブスクリプション版も導入。顧客は定期購入する代わりに値引きを受けるという形です。
2021年にFurtmeier氏は新たにopen3ABoxという製品をリリース。これはopen3AをインストールしたRaspberry Piを販売するというもので、「自分のサーバーがなく、技術的な知識もないが、クラウド版は嫌だ」という人向けに作ったとFurtmeier氏は述べています。open3ABoxはFurtmeier氏によってリモートでモニタリング&サポートされるので、顧客は安心して利用でき、Furtmeier氏は安定した収入を得ることが可能になりました。
Furtmeier氏は投稿の中で、「この投稿はうまくいったことをまとめたもので、実際には数百時間・数千ユーロ(数十万円)を投入してうまくいかなかったこともある」と述べ、B2Bソフトウェアを販売することの難しさを強調しています。
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