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活動的なコミュニティをゼロから構築するために重要なポイントとは?


ソフトウェアの開発には、フィードバックを提供するコミュニティの存在が重要です。そんな活動的なコミュニティをゼロから構築するために重要なポイントを、コミュニティ支援サービス「Orbit」の開発を率いるパトリック・ウッズ氏が解説しています。

Orbit Blog — A tactical guide to kickstarting your community
https://orbit.love/blog/a-tactical-guide-to-kickstarting-your-community/

◆濃密なコミュニケーション
Orbitの開発チームは、記事作成時点では、コミュニケーションアプリとして「Discord」を利用していますが、開発初期には「Slack」を利用してコミュニティメンバーとやりとりしていたとのこと。

Slackでは、会話の内容に応じて複数のチャンネルを使い分けることができます。しかし、ウッズ氏は「コミュニティ構築の初期段階では密度が重要です」と指摘。さらに、Orbitの初期開発メンバーは3人しかいなかったため、注意を向ける対象を少なくすることが求められました。


そこで、開発チームは一般的な会話を行う「#general(一般)」とバグレポートや機能リクエストを行う「#feedback(フィードバック)」の2つのチャンネルを作成。コミュニティの活動を2カ所に集中させ、3人でも十分にコミュニティの活動を注視することに成功しました。

◆製品とコミュニティを同時に構築する
ウッズ氏によると、Orbit開発初期のコミュニティメンバーは、Orbitをより良くするために多数のフィードバックを投稿してくれたとのこと。開発チームは、それらのフィードバックに対して当日中に対応するように努めました。その結果、Orbitの品質は急速に向上しました。

ウッズ氏は「迅速な対応により、コミュニティと開発チームの信頼関係を築くことができました。また、迅速な対応はコミュニティを活発化し、活発なコミュニティが新たなコミュニティメンバーの参入障壁を取り払うという好循環が発生しました」と、迅速な対応の重要性を語っています。


この好循環によって、Orbitは2020年後半に急激にコミュニティメンバーを増やすことに成功。ウッズ氏は「コミュニティの意見は、製品に影響を与えるだけでなく、活動的なコミュニティを構築するための引き金にもなります」と述べています。


◆コミュニティメンバー同士の対話を促進する
Orbitの開発が進むと、ウッズ氏の元へ、「外部サービスを用いたOrbitの活用方法」などの情報がコミュニティメンバーから寄せられるようになります。しかし、これらの情報はウッズ氏へのダイレクトメッセージとして送信されることが多かったとのこと。ウッズ氏は、コミュニティメンバーによる成果物をコミュニティで共有する方法が必要だと考えました。

そこで、ウッズ氏はSlackにプレゼンテーションを行える「#show-and-tell(展示と説明)」チャンネルを作成。さらに、「#show-and-tell」チャンネルを利用する例として、「サービス連携ツール『Zapier』を用いてOrbitと他のサービスを連携する方法」を投稿しました。

ウッズ氏は、「ディナーパーティーの主催者は、参加者に会話のテーマを提供してパーティーを盛り上げます。それと同様に、初期段階のコミュニティでは、主催者が会話の進行を支援する必要があります」と述べています。

◆心理的な安心感を提供する
ウッズ氏によると、繁栄するコミュニティは、上記のような「製品に直接関係のない会話」を多く行う傾向にあるとのこと。しかし、このような会話に参加するためには、コミュニティメンバーの不安を取り除く必要があるとウッズ氏は指摘しています。

ウッズ氏は、コミュニティメンバー同士が友好を示し合う機会を提供するために、ビデオ会議を行いながらお気に入りのお菓子を紹介するイベントを開催。「OpenSnack」と名付けられたこのイベントには、12名の参加者が集まりました。


さらに、イベントでの愉快な出来事をSlackで共有することで、コミュニティメンバーに友好的な雰囲気を示しました。


◆習慣を作る
Orbitの開発チームは、毎週金曜日に「#general」チャンネルで開発の進捗状況を報告しました。この習慣は、開発の勢いをコミュニティと共有し、Orbitの改善に関わった人々に感謝する機会をもたらしたとのこと。

また、ウッズ氏はOrbitブランドのカスタム絵文字を作成し、コミュニティメンバーに配布しました。ウッズ氏は「カスタム絵文字の配布は、ばかげているように聞こえます。しかし、カスタム絵文字のような一種の共通言語は、コミュニティメンバーに帰属意識を与える強力な方法だと考えています」と述べています。

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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