なぜポケモンカードは25周年を迎えても人気なままなのか？

ポケットモンスターシリーズのポケモンバトルを再現したトレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」は、1996年10月に最初の商品が発売されたため、まもなく25周年を迎えます。そんなポケモンカードゲームがリリースから長い時間が経った今も人気な理由を、海外メディアのThe Inventoryがまとめています。

Why Pokemon Cards Continue To Endure 25 Years Later
https://theinventory.com/why-pokemon-cards-continue-to-endure-25-years-later-1846439893

1996年に登場したポケモンカードゲームは、2021年時点でも人気を博しています。それどころか、収集品としては年々その価値を高めており、古いカードの中には数百万円や数千万円で取引されるものもあります。

1100万円超という高値で完璧な保存状態の初期ポケモンカード103枚が落札される - GIGAZINE

ポケモンカードゲームの人気は多岐にわたっており、純粋にトレーディングカードゲームとして収集する人もいれば、「資産価値が高いから」と投資感覚でカードを集める人もいます。YouTube上で「ポケモンカード」と検索すると、100万再生を超えるムービーも多数表示され、例えば俳優の本郷奏多さんがポケモンカードのパックを開封するムービーは、記事作成時点で130万回以上再生されています。

【ポケモンカード開封】どうしてもリザードンがほしい30代男性【本郷奏多の日常】 - YouTube


ポケモンカードゲームの人気は国内だけにとどまらず、海外でも日本以上の人気っぷりをみせています。海外でポケモンカードゲームの人気を再燃させた要素のひとつとしてThe Inventoryが挙げているのが、YouTuberのローガン・ポール氏のアップロードした「20万ドル(約2200万円)相当のポケモンカードゲームの初期シリーズの未開封パックを開封する」というムービー。このムービーは2020年10月にYouTube上でライブ配信され、記事作成時点で1100万回以上再生されています。

Opening The $200,000 1st Edition Pokemon Box (Official Live Stream) - YouTube


The Inventoryがポール氏にインタビューしたところ、同氏は「私は昔からポケモンが大好きでした。子どもの頃にポケモンカードを集めていたので、ポケモンカード界隈が活況を呈していると友人から聞いた際に、すぐに自分のコレクションをチェックして価値のあるカードがないか確かめました。自分の昔のコレクションは大した価値のあるものではなかったので、すぐにeBayをチェックし、そこから再びポケモンカードに夢中になってしまいました」と語り、2020年に入って再びポケモンカードゲームに夢中になったと語っています。

ポール氏はオークションサイトのGoldin Auctionsとコラボレーションして、2021年2月末には100万ドル(約1億1000万円)相当の初期シリーズの未開封パックを開封するライブ配信を行っており、このムービーは記事作成時点で400万回以上の再生数を記録。なお、このライブ配信では2枚の希少なリザードンのキラカードなどが出ており、合計200万ドル(約2億2000万円)程度の価値があると算出されています。

Opening The $1,000,000 1st Edition Pokemon Box (Official Live Stream) - YouTube


Goldin Auctionsの創設者であるKen Goldin氏は、トレーディングカード収集の第一人者のような人物です。Goldin氏は当時世界最大のカード再販業者と提携し、カードのレーティングを行ってきたそう。そのため、Goldin氏は「私がレーティングしてきたすべてのカードを持っていたなら、ポケモンカードだけで1500万ドル(約16億円)相当になるでしょう」と語っています。

アメリカでも人気の高いポケモンカードですが、これに比肩する人気をアメリカで維持し続けているのはNBAバスケットボールカードしかないとGoldin氏は説明しており、「リザードンのカードはマイケル・ジョーダンのカードに比肩します」と語りました。

ポケモンカードゲームは特に北米とアジアで人気が高いですが、Goldin Auctionsによるとドイツやデンマークといった地域からも高額入札が行われているとのことで、想像以上に広い地域で人気を高めている模様。

Goldin氏は「ポケモンカードに夢中になっている人々は、多くの点でバットマンやスパイダーマンに夢中になっている人々のようです。これらには年齢制限がなく、子どもの頃の思い出の一部であり、今も続く財産という共通点があります。そのため、ポケモンカードはカードゲームとしてではなく、マーベルやディズニー作品のグッズと同じような資産として見るべきです」と語り、ポケモンカードゲームが資産として愛される理由を説明しています。

保存状態の良いポケモンカードのうち、初期シリーズのフルセットは特に人気があり、希少価値も高く、世界に42セットしか存在しないとGoldin氏は推定しています。Goldin Auctionsでは、2021年1月に初期シリーズのフルセットが68万6000ドル(約7500万円)で落札されたそうです。

カジュアルなポケモンカードゲームファンがこのような高価なコレクションを購入することは難しいですが、高額なカードが存在するということは、カードコレクターからすると魅力的なもの。The Inventoryは「自分のコレクションを完成させるか、それとも大金で売るかにかかわらず、珍しいカードが出るのを期待してパックを開くことができる、という点で純粋にワクワクします」と記し、カードが高額で取引されることで新しいパックを開封する際の魅力も高まっていると指摘しています。