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「スーパーマリオ64」に1億7000万円の値が付いた理由はコレクターにもわからない


2021年7月、「スーパーマリオ64」の未開封品がオークションに出品され、156万ドル(約1億7000万円)で落札されました。これは「単一ゲームソフトの史上最高落札額」の新記録ですが、1つ前の記録は同じ2021年7月に出たばかりで、高額落札の連続に驚く声もありましたが、驚いているのは一般人だけではなく、ゲームコレクターも同様のようです。

Collectors are as confused as you are about that $1.56M Super Mario 64 sale | Ars Technica
https://arstechnica.com/features/2021/07/collectors-are-as-confused-as-you-are-about-that-1-56m-super-mario-64-sale/


ゲームソフト単品のオークション落札額は、2019年10月に「スーパーマリオブラザーズ」の未開封品で初めて6ケタ(10万150ドル、日本円で約1100万円)を記録。以降、コレクターの間では「最終的には7ケタ(100万ドル・約1億1000万円)に達するだろう」という合意ができあがっていました。

しかし、最高落札額の新記録を「スーパーマリオ64」が出したという点には、多くのコレクターが衝撃を受けたとのこと。


たとえば「スーパーマリオ64」が出した落札額記録の1つ前、87万ドル(約9600万円)で落札された「ゼルダの伝説」未開封品の場合、「最初期の生産品の中の1本」という点がポイントでした。

約9600万円で未開封の「ゼルダの伝説」が落札、単一のゲームソフトの史上最高額がまたもや更新される - GIGAZINE


しかし、「スーパーマリオ64」は人気があるゲームではあるものの、ゲームソフトの歴史においてマイルストーンとして扱われる作品ではなく、また、ソフトの未開封品も他に何本も確認されていて、「他にはないであろう1品もの」というわけでもありません。具体的には、同様の「スーパーマリオ64」の未開封品の落札額は、このオークション以前だと最高でも3万8400ドル(約420万円)だったそうです。

ニュースサイトのArs Technicaによると、ビデオゲーム歴史保存協会ディレクターでレトロゲームストアのオーナーでもあるケルシー・ルウィン氏は「私はこれまで、高値になるものの背景の論理を理解できていましたが、初めて『なぜ高いのか?』が理解できないもののように思えます」と語ったとのこと。

他方で、こうした値動きを当然のこととして捉えている人もいるとのこと。その理由は、1つはビデオゲーム収集に費やされる金額が大きくなっているという点。もう1つは従来のコレクターとは異なる、別ジャンルで活動していたコレクターがこの分野に手を出してきているという点だそうです。

従来のコレクターであれば、価値判断は「このソフトはマイルストーンとして意味があるかどうか」などに重きが置かれていましたが、これまでゲーム収集以外に携わっていたコレクターは「未開封か否か」に重きを置きます。たとえばコインやカードなら、未使用品か否か、美品か否かで大きく価値が変わります。こうした考え方がゲームソフトにも持ち込まれ、その結果、市場に残っている未開封品の中でも最も状態がいいものを手に入れようと動くコレクターが複数現れてオークションで激突することで「史上最高落札額」が生まれている、というわけです。

なお、「スーパーマリオ64」未開封品が史上最高額で落札された場であるヘリテージオークションに自身も出品したことがあるというコレクターのジム氏は、新たな「富豪コレクター」がオークションに加わった結果が156万ドルだったと述べています。

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in ゲーム, Posted by logc_nt

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