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学生のカンニングを防ぐために心掛けるべきこととは?


新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの大学でオンライン授業が実施されており、学生の不正を監視するシステムを導入する大学もあります。しかし、監視システムの信頼性が問題視されていることから、学生の学習意欲を保ちつつ不正行為を抑制する方法を、テキサス州立大学で教育学の助教授を務めるカールトン・J・フォン氏が解説しています。

Motivation is a key factor in whether students cheat
https://theconversation.com/motivation-is-a-key-factor-in-whether-students-cheat-155274

リモート学習における学生の不正を監視するシステムは多くの大学で導入されています。しかし、不正監視システムのアルゴリズムが不透明であることや、「インターネット接続が途切れたことで不正と判定された」「問題文を読み上げるクセが不正と判定された」といった不適切な判定が問題視されています。

リモート学習に伴い導入された「不正行為防止ソフトウェア」の監視に大学生が苦しんでいる - GIGAZINE


フォン氏は、「不正監視システムは、学生に不安や苦痛を与えます」と述べ、学生が不正行為に及ぶ理由を調査した研究を基に、学生の学習意欲を保ちつつ不正行為を防ぐために、教員が心掛けるべきポイントを解説しています。

◆テストの得点の重要度を強調しない
教員が学生に対してテストの得点の重要度を強調しすぎると、学生が不正行為に及ぶ可能性が高くなります。フォン氏は「テストの得点は成績を評価する上で重要な要素です。しかし、テストで高得点を獲得するだけでなく、技術の習得や現実に即した学習も学生に必要な要素です」と語っています。

◆専門知識の習得に焦点を当てる
フォン氏によると、教員が学生の技術向上や知識の習得に注力すると、学生による不正行為が減少するとのこと。これは、専門知識を習得する意慾のある学生ほど、不正行為に及ぶ可能性が低くなることを示唆しています。そのため、教員は学生に対して課題やテストに再挑戦する機会を与え、知識の習得に重点を置いた授業を行う必要があります。

◆学習の動機付けを行う
学生が、学習内容と自らの研究分野・将来のキャリア・他の学習内容との関連性を見いだしている場合、不正行為に及ぶ可能性が低くなります。これに対して、学習に対する動機を持たない学生は、知識の習得ではなく、履修した講義を完了することに力を注ぐ傾向にあり、不正行為に及ぶ可能性が高くなるとフォン氏は指摘します。このため、教員は学習内容が何に役立つのかを明確に示し、講義の内容と学生の興味を結び付けることで不正行為を抑制できるとのこと。


◆自発的な学習を促す
学生は「教員から強制的に学習させられている」と感じると、不正行為に及ぶ傾向があります。学生に対して選択肢を提供し、学生が「自ら学習している」と感じると、不正行為は減少するとフォン氏は主張しています。

◆学生に自信を持たせる
フォン氏の研究では、学生が授業の中で「成功できる」と感じると、不正行為が減少することが明らかになったとのこと。フォン氏は、「学生の能力や学習段階を把握し、徐々に難易度をあげることで、新しい学習内容に挑戦する学生の自信の高めることが可能です。学生が自信を持って学ぶことができれば、さらなる努力をいとわないでしょう」と述べています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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