携帯端末でカンニングしている人間を座席単位で特定可能に
by Mr_Stein
入試試験中に通信している携帯電話やスマートフォン、その他通信機器を座席レベルの精度で検出するシステムが、東京工業大学と光電製作所によって共同開発されました。その誤差はわずか0.5m以下で、座席単位での特定が可能となっています。
東京工業大学 | 最近の研究成果 | 研究成果詳細
ちょうど1年前の入試の時期、試験内容がリアルタイムでウェブ上に出回るという事件が発生しました。これは受験生が携帯端末を用いて行ったということが特定されましたが、不正行為を完全に防ぐことは難しく、試験監督を増やすなどして対応が行われてきました。しかし、1月に行われたセンター試験で、携帯端末を用いた不正行為の防止については有効な対策はないということも明らかになりました。
今回、東京工業大学の研究グループは光電製作所と共同で、マルチセンサー型の位置推移システムと機械学習により、端末の通信電波から位置を推定するシステムを完成させました。これまでにも電波を利用した位置推定の方法はありましたが、平均位置推定誤差が3mもありました。新たなシステムでは、この誤差がわずか0.5m以下と大幅に改善しており、携帯端末をリアルタイムかつ高精度で検出することが可能になっています。
実験を行った教室。前に教壇があり、後ろに行くにつれてちょっとずつ机が高くなっていく、オーソドックスな教室の配置です。
センサーは四隅と中央に設置されました。
位置推定誤差の範囲はこんな感じになりました。
このシステムが不正行為の抑止力となることが期待されていますが、こうなるとまたアナログな手段のカンニングが駆使されるようになるのでしょうか……?
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