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天才数学者ラマヌジャンのように数式を予測して生み出してくれるAI「ラマヌジャン・マシン」が誕生


天才的なひらめきによって多数の数式を発見したことで「インドの魔術師」の異名を取った天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンのように数式を見つけ出してくれるAI「ラマヌジャン・マシン」を、イスラエル工科大学の研究チームが開発しました。

Generating conjectures on fundamental constants with the Ramanujan Machine | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03229-4

AI maths whiz creates tough new problems for humans to solve
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00304-8

World’s hottest new math mind-teasers set by Israeli AI formula-finder | The Times of Israel
https://www.timesofisrael.com/worlds-hottest-new-math-mind-teasers-set-by-israeli-ai-formula-finder/

Machines Are Inventing New Math We've Never Seen
https://www.vice.com/en/article/xgzkek/machines-are-inventing-new-math-weve-never-seen

ラマヌジャンは下記の円周率の公式などの定理や数式を4000個近くも発見しながら、その証明について「寝ている間に女神が教えてくれた」などの直感的すぎる理由を答えたことから「インドの魔術師」という異名で呼ばれています。ラマヌジャンは1920年に32歳という若さで早世しましたが、彼が発見した全定理・数式の検証は没後80年までかかり、さらにその多くは正しかったことから「数学の未来を照らし出した天才」とも言われました。


そんなラマヌジャンにあやかって名付けられた「ラマヌジャン・マシン」は、円周率πやネイピア数eなどの無理数を、以下のような連分数と呼ばれる分母に更に分数が含まれる形で予測するAIです。


ラマヌジャン・マシンが予測した連分数は、上記のa0・a1・a2やb0・b1・b2の部分に、一定の規則性を持っている点が特徴です。実際に予測した等式が以下で、anとbnにあたる数値は「1,2,3,4……」や「3,6,9,12……」などの規則性を持っています。なお、予測された数式を証明する仕事は、現時点では人間の数学者に任されています。


ラマヌジャン・マシンはすでに19個の数式を予測しており、カタラン数に関する数式はこれまでに発見されたものよりも精度が高いことが証明されていますが、アペリーの定数に関する数式は証明する糸口が見つかっていないとのこと。プロジェクトを主導しているイド・カミナー氏は、ラマヌジャン・マシンのスマートフォンアプリ版を開発して、世界中に存在するスマートフォンの演算処理を活用できればより多くの数式を発見できると考えています。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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