サイエンス

オックスフォードの新型コロナワクチンの有効性は「2回投与で82.4%」という報告


オックスフォード大学がアストラゼネカと共同開発した新型コロナウイルスワクチン「ChAdOx 1 nCoV-2019」の接種後22~90日という期間における有効性について、単回投与の場合は「76%」、2回投与の場合は「82.4%」という結果だったと報告しました。

Single Dose Administration, And The Influence Of The Timing Of The Booster Dose On Immunogenicity and Efficacy Of ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222) Vaccine :: SSRN
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3777268

Oxford coronavirus vaccine shows sustained protection of 76% during the 3-month interval until the second dose | University of Oxford
https://www.ox.ac.uk/news/2021-02-02-oxford-coronavirus-vaccine-shows-sustained-protection-76-during-3-month-interval

ChAdOx 1 nCoV-2019は「低中所得国に永続的に新型コロナウイルスワクチンを非営利で提供する」ことを目的として、オックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発しているワクチン。ChAdOx 1 nCoV-2019の第III相試験はイギリス・ブラジル・南アフリカなどで実施されており、2020年11月には「有効率70.4%を示した」という中間報告が上がっていました。

オックスフォード大学とアストラゼネカ開発の新型コロナワクチンが高い有効性を示したという報告 - GIGAZINE


第III相試験は2021年2月3日時点でも進行中ですが、オックスフォード大学は単回投与における有効性が2020年11月時点よりもさらに高い「76%」を記録したと報告しました。なお、この76%という有効率は、抗体が形成されるのにかかる「22日」から90日までの期間におけるもので、オックスフォード大学は「この期間においては抗体による保護機能はほとんど減衰しなかった」とも報じています。

さらに複数回投与に関する試験の結果、複数投与時は「投与間隔」が重要になることも判明したとのこと。オックスフォード大学は、初回投与から6週間未満に2回目を投与した場合の有効性は「54.9%」だった一方、12週間以上を空けてから2回目を投与とした場合には「82.4%」という高い有効性を示したと説明しています。


今回の結果から、イギリスの保健当局に助言を行うワクチン接種および予防接種に関する合同委員会(JCVI)がChAdOx 1 nCoV-2019について「12週間の間隔を空けて投与すべき」という政策提言を行いつつChAdOx 1 nCoV-2019の本格展開に向けた最適なアプローチを模索中とのこと。

なお、オックスフォード大学はChAdOx 1 nCoV-2019の臨床試験において誤った量の投与を行ったにもかかわらず被験者に対して通達を行わなかったとして、医療倫理について咎める声が上がっています。

オックスフォード大、ワクチン投与量ミスを治験参加者に知らせず | ロイター
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vaccine-oxford-idJPKBN2A204J

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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