ユーザーを誘導する「ダークパターン」で得られた同意を認めないという新法が登場
わかりづらいデザインなどでユーザーをだますデジタルインターフェイス「ダークパターン」に対し、アメリカの各州が「ダークパターンによって得られた同意を認めない」という新法を設立しようとしています。
Lawmakers Take Aim at Insidious Digital ‘Dark Patterns’ | WIRED
https://www.wired.com/story/lawmakers-take-aim-insidious-digital-dark-patterns/
ダークパターンはユーザーをだますことを意図したインターフェイスのことで、「『購入』ボタンの横に『定期購入』ボタンを配置する」「登録は非常に簡単にできるが、退会は非常に面倒」といったものがダークパターンと分類されます。ダークパターンの好例としてよく挙げられているのが「Amazonプライムの解約システム」で、同システムは2021年1月に消費者団体から「解約しづらすぎる」として提訴されています。
以下の記事では、訴訟内容だけでなく、Amazonプライムの解約システムというダークパターンについてもわかりやすく解説しています。
「Amazonプライムは解約しづらすぎる」と消費者団体がAmazonを起訴 - GIGAZINE
by Marco Verch Professional Photographer
こうしたダークパターンに対抗するため、ダークパターンによって得られた同意を認めないなどの条項を含む「California Privacy Rights Act(カリフォルニア州プライバシー権法)」が推し進められています。同法は2020年1月から施行されている「California Consumer Privacy Act(カリフォルニア州消費者プライバシー法)」を強化するもので、ダークパターンによる同意の無効化や、ユーザーが意図したよりも多くのデータを企業に提供するように誘導するダークパターンの非合法化などを含んでいます。
カリフォルニア州プライバシー権法は2020年11月時点で住民投票による承認を受けており、2023年1月1日の執行を目指して内容の検討が進んでいる状態で、この検討によってどのようなダークパターンが規制対象となるかが明文化される予定です。なお、連邦取引委員会はダークパターンを「ユーザーを欺いたり、操ったり、誘導したりする、オンラインサービスにとっては有益だがユーザーにとっては有害ないしはユーザーの意図に反する行動を取らせるデザイン」と(PDFファイル)定義しています。
さらに、カリフォルニア州の動きを受け、ワシントン州でも上院議員が連名で同様のダークパターン規制法を提出しています。このダークパターン規制法はカリフォルニア州プライバシー権法をほぼ引き写したものとのことですが、「ダークパターン」という単語は使っていないそうです。
・関連記事
あなたをだますウェブサイトのデザイン「ダークパターン」を見分けるために理解しておくべきこと - GIGAZINE
心理学的な仕組みを用いてユーザーの行動を誘導するデザイン「ダークパターン」とは? - GIGAZINE
ユーザーを意図的にだます「ダークパターン」はショッピングサイトで予想より広く使用されているとの指摘 - GIGAZINE
GoogleやFacebookではユーザーを意図的に企業が有利な方向へ誘導する「ダークパターン」がどのように使われているのか? - GIGAZINE
なぜウェブデザイナーは暗黒面に落ちて人をだます「ダークパターン」を使うようになるのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ