Dell製ノートPC「XPS 15」が故障したので出張修理をお願いしてみた
2018年6月にGIGAZINE編集部で購入したノートPC「Dell XPS 15 9570」に「キーボードやタッチパッドの動作不良」が発生。症状は次第に悪化し、キーを押しても無反応だったり、押したキーとはまったく異なる文字が入力されたりと、まともに使用することができなくなってしまいました。BIOS画面でも症状が現れるため、OSの問題ではなくハードの問題だろうと判断し、2021年1月にDellに修理をお願いすることにしました。
キー入力を行っても、一部のキーしか反応していない様子は以下のムービーから確認できます。
DellのノートPC「XPS 15 9570」のキーボードが正しく反応しない様子はこんな感じ - YouTube
修理を依頼しようと調べてみると、DellにノートPCを送る「発送修理」は修理が完了するまで4週間以上かかることが判明。幸いこのノートPCはDellの公式サポートプラン「Premium Support Plus」に加入していたため、1週間ほどで修理が可能な「オンサイト修理」を選択することが可能でした。なるべく早く修理してもらう必要があったため、オンサイト修理を選択し、エンジニアに修理に来てもらうことにしました。
1週間ほどでDellのオンサイトエンジニアが来訪しました。エンジニアはさっそくノートPCの状態を調査し、実際に不具合が発生することを確認。
次にエンジニアは何やら赤いシートを広げ、その上にノートPCを置きました。
エンジニアの左手首にはゴムバンドが装着されていました。ゴムバンドの先の電極を赤いシートに接続することで体にたまった静電気を逃がし、静電気によるパーツの故障を防いでいるとのこと。
次にエンジニアはノートPC裏面のネジを外していきます。見えている周囲10箇所のネジを外した後、中央のふたの中にある2本のネジも外します。
続いてバッテリーを取り外します。
バッテリーを外すとマザーボードにアクセスすることができるようになります。この時点で既に40カ所以上のネジが外されていますが、エンジニアはネジの場所を記録することなくサクサクと分解を進めていきます。
キーボードは断熱シートで覆われておりそのままでは外せないため、エンジニアは断熱シートの穴をカッターで開き、ネジを露出させていきます。
露出したネジをすべて外すと、キーボードが取り外されました。
キーボード面のパネルを取り外すと……
ディスプレイがぽつんと残る形になりました。
ここまで作業を進めることで、ようやくパーツを交換できる状態に。Dellから事前に配送されていた新品のパネルと取り換えます。パネルをよく観察すると、キーボードを止めるネジの配置が偏っており、効率良くキーボードを固定するための工夫が見られます。
パーツを交換し終えたら、分解とは逆の手順で組み立てていきます。
断熱シートも新品に交換。
すべて元どおりに組み上がったら……
BIOSなどから動作確認やハードウェアのスキャンを行い、作業完了。キーボードとタッチパッドの不具合は完全に解消しました。
すべての作業を終えるのにかかった時間は約1時間。「キーボードとタッチパッドを取り換えるためにここまで分解しなければいけないのか……」という驚きとともに、マニュアルなどを一切見ることなく分解・組み立てまで行うエンジニアに圧倒されっぱなしでした。
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