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「新型コロナのパンデミック期間に子どもたちのゲーム時間が増えすぎている」というメディアの指摘、ゲームメディアからは反論も


The New York Timesが「新型コロナウイルスのパンデミックにより、子どもたちのゲーム時間が増えすぎていることを親や研究者は危惧している」という記事を掲載しました。この記事に対して、海外ゲームメディアのKotakuは「パンデミックにゲーム時間が増えているのは子どもだけではない」「メディアが子どもに焦点を合わせ、ゲームを悪者にして恐怖をかき立てるような物語を作ろうとするのは初めてのことではない」と批判しています。

Children’s Screen Time Has Soared in the Pandemic, Alarming Parents and Researchers - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/01/16/health/covid-kids-tech-use.html

The New York Times Is Worried Kids Are Playing Video Games Too Much During The Pandemic
https://kotaku.com/the-new-york-times-is-worried-kids-are-playing-video-ga-1846077228

The New York Timesは「新型コロナウイルスのパンデミック期間中、子どもたちはゲームをプレイしたりスマートフォンを使用したりする『スクリーンタイム』を増やしている」という記事を掲載しました。この記事の中で、The New York Timesは子どもたちがスクリーンタイムを増やしていることを示すデータを提示し、さらには子どもや大人たちが他人とのつながりを維持するためにゲームを使用しているという事実についても言及しています。

The New York Timesはパンデミックに苦しむひとつの家族に焦点を合わせ、子どもが友人とつながるための方法としてゲームを使用していることを紹介。両親は子どもがどれだけの時間をゲームに費やすのか心配していますが、新型コロナウイルスのパンデミックにより気軽に友人と会うことができない中で、友人とのつながりを維持するための数少ない方法がゲームとなっていることも理解しているとしています。


これに対してKotakuは「子どもだけがスクリーンタイムを増やしていると強調するのは間違っています。10代の子どもたちだけでなく、我々全員のスクリーンタイムが増加しており、誰もがコミュニケーションの欠如に対処しようとしていることを無視しています」と記し、パンデミックの中でスクリーンタイムを増やしたり、人間関係を維持するためにゲームを活用しようとしたりしているのは子どもだけではないと反論しています。

さらに、The New York Timesの記事では子どもたちのスクリーンタイムが増加していることだけに焦点を合わせているだけでなく、「スクリーンタイムの増加が子どもたちにとっていかに不健康で危険な可能性があるか」についてを記すことで、不安を助長するような内容になっているとKotakuは指摘。


他にも、The New York Timesは大晦日に飼い犬が亡くなった家族のエピソードを紹介しています。ゲームをプレイすることで飼い犬が亡くなった悲しみを忘れようとする息子に対し、親は「結婚してストレスを感じたらXboxをプレイする必要があると妻に伝えるの?」と語ったそうです。このようにストレスを緩和したり、最悪の1日から現実逃避するための方法としてゲームが挙げられることは少なくありません。

これに対してKotakuは「本当の問題は、なぜこのようなエピソードをThe New York Timesが紹介しているのかという点です。このエピソードはゲームとインターネットが子どもに悪影響をおよぼす中毒性のある危険なもの、とする記事の中で紹介されています。記事は文字通り、少年がゲームをプレイしたりスマートフォンを使用したりする方法について、両親が『失敗した』と感じるようなエピソードから始まります。このような物語は1990年代の地方ニュースで見たかのような古くさい指摘です」と記し、The New York Timesの指摘に疑問を呈しています。


続けて、Kotakuは「我々全員がオンライン上で費やす時間の増加を心配する理由はあるのでしょうか?Twitterに1日12時間を費やし、最新の悲劇的な出来事を破滅的にスクロールし続けるような行動は、おそらく我々が完全に理解していないような方法で我々を傷つけています。しかし、今は状況が異なります。世界中の人々が新型コロナウイルスのパンデミックと戦っています。多くの人々が感染を抑制するために外出を自粛しており、これよるストレスや退屈に対処しようとしています。そのため、大人も子どももストレスや退屈から逃れるために、ゲームをプレイしたいと思っても仕方のないことだと思います」と指摘。

さらに、たとえ通常時よりも数時間多くゲームをプレイすることになったとしても、状況を鑑みれば仕方のないことだと主張。「我々は皆、知人とのつながりを維持するためのアプリやサービスに依存しています。退屈を紛らわせるためにNetflixを再生したり、家族や友人とZoomでビデオ通話したりします。その中に、遠距離恋愛中の恋人と共にCall of Duty:Warzoneをプレイする時間が合っても何の問題もありません」とKotakuは記し、パンデミックという特殊な時間の中で、人々の退屈を紛らわせたりストレスを緩和したりする役に立っているゲームを悪いものと指摘するThe New York Timesの記事に再び疑問を呈しています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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