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IntelがCPUの製造をTSMCに外部委託すると市場調査会社が予測、2021年にエントリーCPU、2022年にミドルレンジ&ハイエンドCPUの製造が開始か


AppleやQualcomm、AMD、NVIDIAなどの大手テクノロジー企業を顧客として抱える半導体製造ファウンドリのTSMCが、2021年下半期に5nmプロセスでIntel製CPUの製造を開始し、2022年下半期には3nmプロセスでIntelのミドルレンジ&ハイエンドCPUの製造を開始すると報じられています。

Press Center | TrendForce - Market research, price trend of DRAM, NAND Flash, LEDs, TFT-LCD and green energy, PV
http://www.trendforce.com/presscenter/news/20210113-10651.html


TSMC To Produce Next-Gen Entry, Mid & High-End Intel Core CPUs on 5nm & 3nm Process Nodes Starting 2H 2021
https://wccftech.com/tsmc-mass-produce-intel-core-cpus-5nm-3nm-process-nodes-2h-2021-2022/

TrendForce: TSMC to Mass-Produce Select Intel Products, CPUs Starting 2021 | TechPowerUp
https://www.techpowerup.com/277229/trendforce-tsmc-to-mass-produce-select-intel-products-cpus-starting-2021

市場調査会社のTrendForceが最新の市場予測レポートを公開しました。このレポートでは、Intelは次世代CPUの製造の大部分をTSMCに委託すると予測されています。

IntelはCPU以外のチップの製造の15~20%程度を外部委託しており、委託先のほとんどはTSMCおよびUMCです。IntelはTSMCへの委託をさらに拡大し、2021年下半期には同社のエントリーレベルのCPUである「Core i3」シリーズの製造をTSMCの5nmプロセスでスタートし、2022年下半期にはミドルレンジおよびハイエンドのCPUの製造を3nmプロセスでスタートするとTrendForceは予測しています。


Intelは10nmプロセスおよび7nmプロセスの開発において他社の後塵を拝しており、これは市場での競争力にも大きな影響をおよぼしています。実際、2020年7月にはIntelのボブ・スワンCEOが「チップ製造の外部委託を検討している」と発言しており、同社の株価は16%も下落しました。

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by Morton Lin

プロセスノード開発の遅れはスマートフォン向けのプロセッサにも影響しており、IntelはARMアーキテクチャに大きく後れをとる結果となっています。また、AppleやHiSiliconといった企業が、TSMCの高いプロセス技術により競合他社よりも優れたチップの製造に成功しているともTrendForceは記しています。

加えて、PC向けのCPUについても、TSMCに製造を委託しているAMDがIntelのPC向けCPU市場シェアを徐々に脅かしつつあります。さらに、Appleが独自開発のMac向けプロセッサ「Apple Silicon」への移行を発表したため、Intelは「Mac向けCPU」という大口の顧客を失うこととなります。

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IntelがCPUの製造を外部委託する可能性については散々メディアで報じられてきましたが、TrendForceは「CPU市場の変化により、IntelはCPUの製造を外部委託する意向を決めるだろう」と指摘しています。

さらに、TrendForceは「Intelが製造ラインの外部委託を増やすことで、Intel自身が主要なIDMとしての存在を継続するだけでなく、高度な研究開発や設備投資に効果的に資金を費やすことが可能となり、これによりマージンの高いチップのみを自社製造ラインで生産できるようになる」と指摘し、Intelの今後にとってもプラスの選択となるとしています。

また、IntelがTSMCのさまざまなソリューションを活用できるようになることで、AMDと同等のCPUを製造できるようになる可能性があるとTrendForceは記しました。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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