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多くのサービスから排除されたSNS「Parler」のCEOが「復活することはないかもしれない」とコメント


「言論の自由を守る」という方針を掲げるSNSのParlerは、過激な発言やフェイクニュースの取り締まりが強化されているTwitterやFacebookの代替として、トランプ大統領の支持者や陰謀論者から人気を集めていました。ところが、連邦議会議事堂の襲撃事件を受けてParlerはアプリストアやウェブホスティングサービスから排除されており、ParlerのCEOを務めるJohn Matze氏は「Parlerが復活することはないかもしれない」と述べています。

Exclusive: Parler CEO says social media app, favored by Trump supporters, may not return | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-parler-exclusive-idUSKBN29I2Z7

Parler May Never Get Back Online, CEO of Pro-Trump Social App Admits - Variety
https://variety.com/2021/digital/news/parler-may-never-get-back-online-1234884946/

2018年に開設されたParlerは「言論の自由」を掲げるSNSであり、運営者による投稿内容のチェックや管理は行わないことを公言していました。そのため、TwitterやFacebookでは投稿内容に対して注意喚起を受けるようなトランプ大統領の支持者から人気を集め、2020年には810万回も新規インストールされたとのこと。


ところが、2021年1月6日に発生した連邦議会議事堂の襲撃事件を受け、事件に関連するコンテンツが放置されていたParlerに厳しい目が向けられます。Appleは暴動の計画や促進にParlerが使用されたと主張しており、Parlerに対して「問題のあるコンテンツを削除しなければ24時間以内にアプリをApp Store上から削除する」と警告した後、App StoreからParlerを排除しました。App Storeから削除される前に、Android版もGoogle Playから削除されています。

AppleがモデレーションフリーのSNSアプリ「Parler」をApp Store上から削除 - GIGAZINE


その後も大手IT企業によるParler排斥の動きは加速し、ウェブホスティングサービスであるAmazon Web Services(AWS)もParlerを排除しました。Matze氏はこれを受けてサービスの再構築を迫られており、最大で1週間ほどParlerがオフラインになると述べていました。

Amazonもウェブホスティングサービスから「Parler」を排除、IT大手によるParler排斥の動きが進む - GIGAZINE


ロイター通信が現地時間の1月13日に行ったMatze氏へのインタビューで、Matze氏は暴力的なコンテンツにフラグを立てる計画やAmazonを訴えたことについて話しており、Parlerを速やかに復活させる方法を模索していると主張。しかし、Parlerがいつ復活するのかについては、「復活しないかもしれません。私たちにはわかりません」とコメントしました。

Parler CEO says social media app may not return - YouTube


Matze氏はAppleやGoogle、Amazonから締め出されただけではなく、Parlerのシステムを支えていた高速・高性能なデータベースのScylla Enterpriseも使えなくなったほか、決済サービスのStripeやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスとの取引も停止され、広告収入などを得ることができない状態だとのこと。

また、電話の発着信やSMSの送受信をサポートするTwilioやコミュニケーションツールのSlackも利用できなくなり、メンバーとの連絡を取ることすら困難だそうです。Parlerの排斥は非常に広範囲にわたっており、「もう取引できないと伝えてきた人々を数えることも難しいほどです」とMatze氏は述べています。

ロイター通信の問い合わせに対し、Scyllaは言論の自由を支持していると主張したものの、「私たちの技術を使用して暴力を扇動することは不可能であり、許可できません」とコメント。TwilioはParlerが利用規約に違反しており、暴力を呼びかけるコンテンツを削除しなければ利用を停止すると説明しました。その他のベンダーは、ロイター通信の問い合わせに記事作成時点では応答していないとのこと。

なお、大企業によるParlerの排斥は「支配的な力を持っている民間企業が競争相手になり得る企業を排除できる」ことを示す事例であり、独占禁止法の問題を提起するものであるにもかかわらず、Google・Amazon・Appleなどの独占禁止法を追及する議員らがこの点に触れていないとの指摘もあります。

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