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WikiLeaks創始者ジュリアン・アサンジ被告の身柄引き渡しをイギリスの裁判所が拒否


政府に対するスパイ行為とハッキングの疑いで逮捕されたWikiLeaksの創設者であるジュリアン・アサンジ被告を巡って、イギリスのウィンチェスター治安裁判所がアメリカへの身柄引き渡し要求を退けました。

USA -v- Julian Assange | Courts and Tribunals Judiciary
https://www.judiciary.uk/judgments/usa-v-julian-assange/


Julian Assange cannot be extradited to US, British judge rules | Media | The Guardian
https://www.theguardian.com/media/2021/jan/04/julian-assange-cannot-be-extradited-to-us-british-judge-rules


U.K. Judge Denies WikiLeaks Founder Julian Assange’s Extradition to U.S., Citing Suicide Risk - WSJ
https://www.wsj.com/articles/british-judge-rejects-u-s-request-to-extradite-wikileaks-julian-assange-11609758350


告発サイトであるWikiLeaksでは、アメリカの機密文書CIAによる「工作員のための潜入の手引き書」などが公開されたことがあり、このことからジュリアン・アサンジ氏にはハッキングやスパイ行為などの容疑がかけられていました。アサンジ氏はロンドンのエクアドル大使館に逃げ込んで亡命生活を続けていましたが、2019年4月にイギリスの警察によって逮捕されました。

数々の機密情報を暴露してきたWikiLeaksの創始者ジュリアン・アサンジが逮捕される - GIGAZINE


その後、アメリカ司法省からアサンジ被告の身柄引き渡し要請があり、ロンドンのウィンチェスター治安裁判所で身柄引き渡しに関する審理が行われていました。審理において、ウィンチェスター治安裁判所のヴァネッサ・バレイスター判事は、アメリカ司法省側の「アサンジ被告の活動はジャーナリズムの領域を超えたものである」という主張を認めました。

一方で、バレイスター判事は「全体的な印象として、アサンジ被告は自分の将来を心から恐れています。アサンジ被告の身柄をアメリカに引き渡すことが、アサンジ被告の精神状態に重圧になると感じられます」と述べ、「アメリカ司法省にアサンジ被告の身柄を引き渡すべきではない」という判決を下しました。


記事作成時点でアサンジ氏はロンドン市内の刑務所に拘禁されていますが、自傷行為や自殺未遂などの経歴はないとのこと。しかし、バレイスター判事は「アメリカ司法省に身柄を引き渡されれば、他の囚人や職員、家族を含むすべての人間との接触は厳しく制限され、独房の壁を通してでさえ他の拘禁者とも一切連絡を取れなくなります」と判決文に述べ、過酷な拘禁条件下に置かれたアサンジ被告が自殺してしまう可能性を指摘しています。

原告であるアメリカ司法省は今回のウィンチェスター治安裁判所による判決に対して、「あらゆる法的な論点で、アメリカ政府の主張が認められたことは喜ばしいことです」とコメントする一方で「身柄引き渡しを拒否する今回の判決には非常に失望しています」と述べました。原告には上訴を行うまで14日間の猶予が与えられており、アメリカ司法省はすぐにでも上訴を行いたいとしています。

by a.powers-fudyma

なお、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、「アメリカ政府にアサンジ被告の身柄を引き渡すべきではない」とするウィンチェスター治安裁判所の判決を歓迎し、「アサンジ氏はジャーナリストとしてチャンスを与えられて当然で、私たちが保護できる状況を提供する」と述べ、アサンジ被告に対してメキシコの亡命を認めました。ただし、記事作成時点では、アサンジ被告がメキシコに亡命するかどうかは明らかになっていません。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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