数々の機密情報を暴露してきたWikiLeaksの創始者ジュリアン・アサンジが逮捕される

数々の機密情報を公開してきた告発サイト「WikiLeaks(ウィキリークス)」の創始者ジュリアン・アサンジ氏が逮捕されました。アサンジ氏は2012年よりロンドンのエクアドル大使館内にて亡命生活を送っていましたが、エクアドル政府との関係が悪化し保護が受けられなくなり、ついに逮捕されることとなっています。

Assange arrest: Trump claims to 'know nothing about WikiLeaks' despite past praise – as it happened | Media | The Guardian
https://www.theguardian.com/media/live/2019/apr/11/wikileaks-founder-julian-assange-arrested-at-the-ecuadorean-embassy-live-updates

WikiLeaks Founder Charged in Computer Hacking Conspiracy | USAO-EDVA | Department of Justice
https://www.justice.gov/usao-edva/pr/wikileaks-founder-charged-computer-hacking-conspiracy

WikiLeaksは内部告発者から提供されたさまざまな機密情報を公開しているサイトで、2010年にアメリカ国家安全保障局(NSA)の文書を流出させたり、2014年にはCIAによる「工作員のための潜入の手引き書」を公開したりしています。Wikileaksやアサンジ氏の動機や目的については以下の記事を読むとよく分かります。

Wikileaksはなぜ世界中の国家を敵に回そうとしているのか？ - GIGAZINE

アサンジ氏は2012年、イギリスで「スウェーデンでの性犯罪の容疑」で逮捕されました。しかし、この容疑は自分を逮捕するための口実であると主張。アサンジ氏はアメリカへ移送されてから「外交機密文書を公開したこと」を罪に問われることを恐れ、保釈中にロンドンのエクアドル大使館に逃げ込み、それから2019年4月まで亡命生活を続けていました。

しかし2019年3月26日にWikiLeaksのTwitterアカウントが「エクアドルのモアノ大統領が汚職について調査されている」「アメリカによる債務救済を受けるためにアサンジ氏をアメリカに売ろうとしている」などと発言。

翌3月27日、エクアドルのホセ・バレンシア外相が「このツイートは国家の尊厳を傷つけるばかげた主張だ」とコメントし、WikiLeaksのツイートを批判したことで両者の関係は悪化。4月2日にはモアノ大統領が「アサンジ氏は亡命の条件に違反している」「近い内に決断を下す」などと発言していました。

モアノ大統領の汚職事件を暴露したのはWikiLeaksではなく、さらに汚職事件の発覚は3月1日でこの汚職事件についてのツイートは既にたくさんあったにもかかわらず、汚職事件の暴露を口実にアサンジ氏の保護を取り止めるのは不当であり、この逮捕が汚職事件から目をそらすために利用されているとWikiLeaksは非難しています。

アサンジ氏が逮捕される瞬間をドイツの通信社Ruptlyがムービーに収めています。

UK: Assange removed from Ecuadorian embassy ***EXCLUSIVE*** - YouTube

何人もの男に囲まれてジュリアン・アサンジ氏が大使館から連れ出されています。

連れ出される際に何か叫んでいる様子。

そのまま護送車の中へと連れて行かれました。

WikiLeaksは逮捕を受けて、Twitterにて「この男は息子であり父であり兄弟である。何十ものジャーナリズムの賞を受けた。2010年以来、毎年ノーベル平和賞候補であった。CIAを初めとした有力者たちが彼を非人間的な存在にし、合法性を奪って投獄しようとしている」とコメントしています。