GoogleのIoT用プラットフォーム「Android Things」が終了へ、IoT向け汎用OSの野望は軌道に乗らず失速
GoogleがIoT用の汎用OSとして開発を進めていた「Android Things」のFAQページで、プロジェクト継続を断念する方針を発表しました。Android Thingsは、2019年2月の時点で「開発意欲が失われているのではないか」との見方が強まっていました。
FAQ | Android Things | Android Developers
https://developer.android.com/things/faq
Google kills Android Things, its IoT OS, in January | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/12/google-kills-android-things-its-iot-os-in-january/
Google is killing off Android Things, its OS for IoT devices
https://www.xda-developers.com/google-android-things-shut-down-2021/
Googleの「Android Things」は、2015年に発表された「Brillo」を前身とするIoT向けOSで、2018年には正式版の「Android Things 1.0」がリリースされています。しかし、それから目立った動きはなく、2019年2月にやっとGoogleの公式ブログで言及されたAndroid Thingsの開発計画も大幅にトーンダウンしていたことから、当時からすでにプロジェクトの継続が危ぶまれていました。
GoogleがIoT用プラットフォーム「Android Things」開発計画を大幅にトーンダウン - GIGAZINE
その後、GoogleはAndroid ThingsのFAQページに、「Android Thingsコンソールは、2021年1月5日に新しいプロジェクトのサポートを停止し、2022年1月5日に既存のすべてのプロジェクトで使用できなくなります」と掲載し、開発者がデバイスにアップデートを配信するAndroid Thingsコンソールの新規プロジェクト受け入れが、2021年初頭に終了となることを明らかにしました。また、1年後の2022年1月5日にはAndroid Thingsコンソールが完全に停止し、すべてのプロジェクトデータが完全に削除されます。
FAQページでの「Raspberry Pi 3 Model B+やRaspberry Pi 4などの新しいモデルのサポートは追加されますか?」との質問に対してGoogleは、「Raspberry Pi 3Bは既存プロジェクトと新規プロジェクトの両方で高い人気を保ち続けています。新モデルや新機能にはメリットがあることは理解していますが、これらの新しいボードのサポートを追加する予定はありません」と答えて、今後の新規サポートを行わない方針を明示しました。
by Adafruit Industries
さらに、「既存のプロジェクトの商用化への道筋はありますか?」との項目では「NXP・Qualcomm・MediaTekの商用ハードウェア向けのSoMは、スマートスピーカーやスマートディスプレイを製造している特定のOEMパートナーのみに提供されます。Raspberry Pi 3Bなどをベースにしたプロジェクトは、非商用の場合に限り100台までに制限されています」と説明しています。
この点について、IT系ニュースサイトArs Technicaは、「IoT分野でのAndroid Thingsの失敗は、OEMのスマートスピーカーとスマートディスプレイのみへの集中へとつながりました。しかし、知られている限りではGoogleはAndroid Thingsでこれらのデバイスを構築したことはありません」と指摘しています。
また、開発者向けのコミュニティサイトXDA DevelopersはAndroid Thingsの終了について、「Googleには、すでにGoogle Homeのような他のIoTプラットフォームがありますが、その存在は日の目を見ることのなかったプラットフォームの不名誉な終わりでもあります」とコメントしました。
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