サイエンス

中国の無人月面探査船「嫦娥5号」が月面着陸に成功、「月の石」回収ミッションも順調


2020年11月24日に打ち上げられた中国の無人月面探査機「嫦娥(じょうが)5号」が、現地時間の12月1日23時11分(日本時間の2日0時11分)に、月への着陸を成功させました。中国国家航天局(CNSA)の発表によると、嫦娥5号は月面着陸成功直後にアンテナやソーラーアレイの展開を完了しており、今後数日間の内に月面の岩石サンプルを回収する予定とのことです。

cnsa.gov.cn/n6758823/n6758838/c6810683/content.html
http://www.cnsa.gov.cn/n6758823/n6758838/c6810683/content.html

China's Chang'e 5 lands on the moon to collect the 1st fresh lunar samples in decades | Space
https://www.space.com/china-chang-e-5-lands-on-moon-to-collect-lunar-samples

China’s Chang’e 5 mission lands on the Moon - The Verge
https://www.theverge.com/2020/12/1/21724067/china-lunar-mission-change-5-moon-soil-samples

中国は11月24日に、無人月面探査機「嫦娥5号」を月に向けて打ち上げました。その際の模様は、以下の記事を読むとよく分かります。

中国の無人月面探査船「嫦娥5号」が打ち上げ成功、「月の石」持ち帰り目指す - GIGAZINE


嫦娥5号は、地球から発射されてから約112時間の旅を経て11月28日に月軌道に入り、12月1日に月の海の中で最も広大とされる嵐の大洋に向けて降下。嵐の大洋北部にあるリュムケル山への着陸を成功させました。

嫦娥5号は着陸船・離陸船・軌道船・帰還船の4つのモジュールで構成されており、今回月面に軟着陸したのは着陸船と離陸船の2機です。月面サンプル回収ミッションを担う着陸船は、太陽光発電を主電源としているため、回収ミッションのために残された時間は日没までのわずか半日しかありません。とはいえ、月の1日は地球の約29日に相当するため、嫦娥5号の月面でのミッションは最大約2週間となります。


着陸船は今後、機体に装備されたアームで最大約2メートルほど月面を掘削して、月の岩石を合計約2kgを採取する予定です。月では、地球のような大気や気候がないため、地層の形成も地球に比べて非常にゆっくりです。そのため、2メートル下にある月のサンプルは過去10億年分の記録が蓄積されたアーカイブとなって、多くの情報を人類にもたらしてくれると期待されています。

以下は、着陸船が撮影した月面の写真です。中央に映っている黒い影は着陸船の脚部とのこと。


着陸船が採取したサンプルは、離陸船に受け渡されてから月軌道に打ち上げられ、月軌道に残った軌道船と帰還船がこれを回収します。嫦娥5号のミッションが計画通りに進めば、12月中旬には月のサンプルを積んだ帰還船が内モンゴル地域に着陸するとのこと。これにより月からのサンプルリターンが成功すれば、1976年に打ち上げられた旧ソビエト連邦の「ルナ24号」以来44年ぶりの快挙となります。

また、12月6日には日本の小惑星探査機「はやぶさ2」がリュウグウのサンプルを携えて地球に帰還するため、2020年12月は人類にとって、宇宙からの貴重なサンプルを2つも手に入れる月になると期待されています。

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in 乗り物,   サイエンス, Posted by log1l_ks

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