AMDのCPU市場シェアがここ15年で最大規模に拡大、Ryzen 5000発売によるさらなる成長に期待
チップメーカーAMDが「世界最高のゲーミングCPU」と称するデスクトップ向けCPU「Ryzen 5000」が2020年11月5日(木)に発売されます。Ryzen 5000は「ゲームチェンジャー」になると見込まれ、大きな期待が寄せられていますが、その発売前の時点でAMDの業界シェアがここ15年で最大に拡大していることが明らかになりました。
AMD Reaches Highest CPU Market Share Since 2007, Q3 2020 Report (Updated) | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/amd-vs-intel-q3-2020-cpu-market-share-report
AMD Is Hitting Market Share It Hasn't Held in a Decade - ExtremeTech
https://www.extremetech.com/computing/316900-amd-is-hitting-market-share-it-hasnt-held-in-a-decade
調査会社・Mercury Researchのレポートにより、AMDの2020年第3四半期(7月~9月)時点の市場シェアが、x86CPUのセグメントにおいて22.4%であることが報告されました。この数値は前期比4.1ポイント増、前年同期比6.3ポイント増という数値で、実に2007年第4四半期以来の高水準となっています。
レポートによれば、AMDは他のセグメントでも好調で、IoTを除くデスクトップ向けx86CPUのシェアは20.1%で、前期比0.9ポイント増、前年同期比2.1ポイント増。このセグメントのシェア増加は12四半期連続で、20.1%という数字は2013年第4四半期以来。
また、IoTを除くノートPC向けx86CPUのシェアは20.2%で、前期比0.3ポイント増、前年同期比5.5ポイント増。これも12四半期連続のシェア増加です。なお、過去の最高シェアは2020年第2四半期の19.9%で、記録の更新が続いています。
IoTを除くAMDクライアントx86CPUのシェアも20.2%。前期比0.5ポイント増、前年同期比4.3ポイント増という数字です。これも2011年第2四半期以来、最高の数字です。
今回の数字はRyzen 5000シリーズが市場に出回る前の記録であり、2021年はAMDがRyzen 5000シリーズを追い風としてシェアを25%まで伸ばす可能性があるという見方も出ています。
一方で、Intelは2021年第1四半期に第11世代Coreプロセッサ「Rocket Lake」を発売予定。ニュースサイト・PCGamerのポール・リリー氏は「いずれにせよ、AMDとIntelが我々の心の奪い合いをする限り、真の勝者は我々消費者です」とコメントしています。
Intelが第11世代デスクトップ向けCPU「Rocket Lake」を2021年第1四半期にリリースすると発表 - GIGAZINE
by Thomas Hawk
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