取材

特撮技術を後世に伝えるため貴重な資料を無料公開している「須賀川特撮アーカイブセンター」はこんなところ


散逸の危機にある特撮にまつわる貴重な資料を収集・保存・修復・調査研究する「須賀川特撮アーカイブセンター」が、2020年11月3日(火)、円谷英二さんの出身地・福島県須賀川市に開館しました。このセンターは単なる保管施設・研究施設ではなく、特撮文化の顕彰・推進も目的としているため、収集・保存されている資料の一部を無料で見学することが可能です。

施設案内 須賀川特撮アーカイブセンター / 須賀川市公式ホームページ
https://www.city.sukagawa.fukushima.jp/shisetsu/1004370/1004372/1006519.html

特撮の資料収集といえば、2013年から2015年にかけて企画展「館長庵野秀明 特撮博物館」が行われたことがありますが、この施設は「博物館」ではなく「アーカイブセンター」と銘打たれています。


エントランスで副館長・樋口真嗣さんのパネルがお出迎え。


この種の展示が行われる施設では撮影は禁止となっているケースが多いのですが、須賀川特撮アーカイブセンターの場合、見学可能エリアにおいてはスマートフォン・携帯電話での撮影がOKで、さらにSNSで公開してもOKとなっています。ただし、カメラをはじめとした撮影機材の使用や動画撮影、接写、複製目的の撮影などはNGです。


入口カウンターに飾られていたウェルカムボード。開館日に直筆で書かれたもので、今後もここに飾られるとのことです。


入場は無料。クリアファイル2種入りが250円で販売されています。


壁にはどんどんと関係者が寄せ書きを行っていました。


図書室には特撮関係の資料が並びます。なお、このスペースはカバンなどの持ち込みは禁止なので、別途用意されているロッカーに荷物を入れてください。


1階吹き抜け部分は飛行機の模型が飛び交っています。


開館式でお披露目されたシン・ウルトラマン立像も1階に設置されています。


メインの収蔵庫。


内部はこんな感じで、アイテムがぎっしりと並べられています。


巨大な戦艦大和や、「進撃の巨人」の壁などもあります。


後ろから操演可能な巨神兵。


ぎっしりとどういう品が並んでいるのかがわかる「収蔵品図解」が用意されています。これは収蔵庫のうち、前方設置分を示したもの。


後方の棚にもこれだけの品がみっしりと詰まっています。


さまざまな品が収蔵されていますが、ゴム製造形物などは長期の保存が非常に困難なため、3Dスキャニングによるデジタルアーカイブの試みが行われているとのこと。


これまでの活動をまとめた年表。調査研究の開始から数えると、8年を経てアーカイブセンター開館に至っています。


2階への踊り場には、特撮に携わるスタッフたちの姿が。


2階のメイン展示となっていたのは写真撮影スポットでもある大きなミニチュアセット。


セットは三池敏夫さんがデザインしたもの。「雲の神様」と呼ばれる背景美術家・島倉二千六さんの描いた空の絵をバックに町のミニチュアが組まれた設計であることが分かります。


三池さんによるデザイン図で「Aポジション」となっていた場所には、このようにセットの手前に、空が描かれたガラス板が設置されています。


ちょうどいいポジション取りをすると「大型怪獣が現れた町」の図を撮影することができます。


なお、セットの奥側に回り込むとこんな感じで、道路が狭くなっています。こうすることで、パースが強調されるという工夫です。


2階視聴覚室では、「館長庵野秀明 特撮博物館」で展示されていた特撮短編映画「巨神兵東京に現る」とそのメイキング映像「巨神兵が東京に現れるまで」の上映が行われます。


「須賀川特撮アーカイブセンター」は入館料無料で、休館日は火曜日(祝日の場合は翌平日)と年末年始。開館時間は9時から17時です。

なお、公共交通機関だと、最寄りは福島交通の「岩瀬支所」バス停で、徒歩1分ほどのところにあります。ただし利用可能な本数は少なく、2020年11月時点のダイヤだと、平日8時25分に須賀川駅前を出発する「矢沢経由町守屋」行きに乗車し8時46分に到着。2時間ほど見学し、11時25分発の須賀川駅経由並木町行きで戻るというのが唯一利用可能なルート。土・日・祝ダイヤで「岩瀬支所」バス停を発着する便はありません。


土日祝でも使えるものだと、郡山駅前から長沼行きに乗車して「七ツ石」バス停で下車し40分ほど歩くというルートがあります。本数は1日5往復です。

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in 取材,   映画, Posted by logc_nt

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