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「有意義な仕事をしている」と感じるために重要な3つのポイント


多くの人は仕事を生活や娯楽に使う金銭を得る手段だと考えていますが、その仕事が有意義なものだと感じられる場合、仕事には単なる手段以上の意味が生まれます。エディスコーワン大学で経営学の上級講師を務めるMehran Nejati氏らが、「有意義な仕事をしていると感じるために重要なポイント」について解説しています。

Green human resource management: A two-study investigation of antecedents and outcomes | Emerald Insight
https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/IJM-08-2019-0406/full/html

3 keys to meaningful work: an employer who cares about the environment, society and you
https://theconversation.com/3-keys-to-meaningful-work-an-employer-who-cares-about-the-environment-society-and-you-132761

Nejati氏は一般的な人々は一生のうちに9万時間を仕事に費やすと指摘し、「これを考えると、私たちのほとんどは仕事に『単なる収入源以上の何か』を望んでいます」と述べています。人々は単純に報酬が得られるだけでなく、満足や価値を得られる仕事をより強く求めているとのこと。

アメリカ・カナダ・アイルランド・イギリスに住む3500人の労働者を対象に行われた2019年の調査では、「有意義な仕事」は全ての年齢層において「報酬」「職業上の特典」などを上回り、キャリアにおける最も重要な要素との回答が得られました。また、人々は年をとるにつれて意味のある仕事を求める傾向があり、仕事に意味と目的を見いだしている人はそうでない人に比べて、仕事を愛する可能性が4倍も高いこともわかったそうです。


人々が求める「有意義な仕事」は主観的なものですが、Nejati氏の研究チームは人々が考える「有意義な仕事」とは何かを知るための調査を行いました。研究チームはサービス業から製造業まで幅広いフルタイムの仕事に就く506人のオーストラリア人を対象に、仕事に関するアンケートを実施しました。

アンケートの結果、「自分の仕事は有意義である」という質問に対し、回答者の約70%が同意または強く同意したとのこと。約20%が「どちらともいえない」と回答し、残りの10%は否定または強く否定したそうです。


また、研究チームは「従業員が仕事を有意義だと感じるポイント」を知るため、職場の「環境への配慮」「企業の社会的責任」「上司のリーダーシップ」といった、組織レベルのさまざまな項目についても評価しました。

◆1:環境への配慮
研究チームは、従業員が感じている企業の環境意識を評価するため、以下の3つの項目についてアンケートを実施したとのこと。

・企業活動に伴う廃棄物や水の使用、炭素排出量の削減に向けた取り組みなどが環境に与える影響について、従業員にトレーニングや情報を提供しているか?
・従業員が活動や決定を通じて、環境保護に本当に貢献する機会があるか?
・環境目標への貢献について従業員を表彰し、その活動に報いているか?

アンケートの結果、回答者506人のうち228人が自分たちの企業における環境への配慮を高く評価しました。「自分の仕事は有意義である」と回答した従業員の割合は、環境への配慮について企業を高く評価した従業員で79%、環境への配慮について企業を低く評価した従業員で63%だったとのこと。企業の環境意識が高いと感じる従業員はそうでない従業員と比較して、仕事を有意義だと感じる可能性が25%高いことが判明しました。


◆2:企業の社会的責任
研究チームは「企業の社会的責任」について、単なる企業のポリシーだけではなく、「組織活動によって影響を受ける全ての利害関係者の福祉に関心を示す行動」と定義したとのこと。企業はマーケティングの一環として社会的責任を果たすこともありますが、研究チームは回答者に対してより深い点で評価するように求めました。

回答者506人のうち、340人が企業の社会的責任に対する取り組みを高く評価し、その79%が「自分の仕事は有意義だ」と回答しました。一方、企業が果たす社会的責任を低く評価した従業員では、50%しか「自分の仕事は有意義だ」と回答しませんでした。また、企業が果たす社会的責任について高く評価する従業員は、そうでない従業員に比べ「自分の仕事が好きだ」と回答する可能性が67%高く、「雇用主のために働くことを誇りに思う」と回答する割合が2.3倍も高かったと研究チームは述べました。


◆3:上司の包括的なリーダーシップ
「上司やリーダーの包括的なリーダーシップ」について、研究チームは他者への開放性や接触のしやすさを示す従業員の管理スタイルだと定義。包括的なリーダーシップを持つ上司は従業員の個別の貢献について高く評価し、従業員が組織やチームに属しているという感覚を強く与えるとのこと。回答者へのアンケートでは、以下のような基準で上司の包括的なリーダーシップについて評価してもらったそうです。

・彼らは従業員の要求に耳を傾けたか?
・問題について彼らに相談することができたか?
・彼らは新しいアイデアを聞くことにオープンだったか?
・彼らは望ましい目標とそれを達成するための新しい方法についてオープンに話し合ったか?
・彼らは従業員が新しい問題に取り組むことを奨励したか?

上司が包括的なリーダーシップを持っていると評価した人のうち、76.6%が「自分の仕事は有意義だ」と回答し、上司が包括的なリーダーシップを持っていないと回答した人と比較して、70%も仕事を有意義だと感じやすいことがわかりました。また、包括的なリーダーシップを持つ上司の下で働く従業員は、問題に対する独自の解決策を生み出したと報告する割合が、そうでない人よりも5.4倍も高かったとのこと。


Nejati氏は、仕事は単なる収入源を超えて刺激的かつ有意義なものになり得ると指摘し、「社会的および環境的責任への真のコミットメントを示し、包括的なリーダーを持つことにより、組織は従業員にとってより有意義な仕事を生み出し、繁栄することができます」と述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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