リモートなのに「隣でおしゃべり」しているかのように疑似空間で会話を楽しめる「Calla」レビュー
リモートワークの普及に伴いZoomなどのオンラインビデオ会議ツールが躍進を遂げていますが、対面での会話と比較すると不便な点があるのも事実。例えばビデオ会議では参加者の声が同じ音量で聞こえるため、「隣に座っている人と相談する」といった、現実の会議で行われるような行為を実現するのは困難です。そんなビデオ会議の残念なポイントを、斬新な方法で解決してくれるのがオープンソースのビデオ会議システム「Calla」です。
Welcome - Calla
https://www.calla.chat/
GitHub - capnmidnight/Calla: Virtual Meetups through Jitsi
https://github.com/capnmidnight/Calla
Callaは画面上にアバターを表示し、アバター同士の位置関係に応じてビデオ会議参加者の声の音量を操作することで、話者間の「方向」や「距離」を疑似的にリアルなものに近づけています。自分のアバターよりも左側に位置するアバターを使う話者の声は左スピーカーから、右側に位置するアバターからの声は右スピーカーから出力するというように、左右のスピーカーから出力する音量を調整することでアバター間の位置関係を再現しています。
「距離」については、近くのアバターにあたる話者の声は大きく、遠くのアバターにあたる話者の声は小さく出力して表現されています。
Callaのページにアクセスし「Try it out!」をクリックすることで、実際にCallaの動作を試すことができます。
ユーザー名を入力してチャットルームを選択し「Connect」をクリック。ユーザー名には英字のほかにもひらがなやカタカナ、漢字を利用することが可能です。
RPGのフィールドのような画面が表示されました。自身のアバターや、すでにチャットルームに接続しているユーザーのアバターが確認できます。
例えば「Test3」というユーザーと話をしたい場合は、Test3の近くをクリックし、自身のアバターを移動させます。
画面のようにアバター同士を近づけることで、お互いの声のボリュームが大きくなり、まるで近くにいるかのように会話することができるというわけです。
「Test2」というユーザーに秘密で話をしたい時は、Test2から離れればOK。従来のビデオ会議システムの場合、基本的に同じチャットルームに接続しているユーザーの音声はすべて聞こえてしまいますが、Callaではアバター間の距離を取ることで特定のユーザーとのみ会話を行うことができます。
マップをクリックしたままカーソルを移動させることで、マップを移動させることが可能。
アバターの種類は設定画面から変更することができます。
退出する際は右上の「Leave」をクリック。
Callaを使ってみたところ、実際の空間で会話するのとかなり近い感覚で意思疎通を行うことができました。アバターの操作性はいまひとつですが、一風変わったビデオ会議を楽しめるソフトウェアであることは確かです。なお、Callaはオープンソースのビデオ会議システム「Jitsi Meet」を基盤としており、自分でホストすることも可能とのこと。記事作成時点ではコンテナ起動時に実行するスクリプトが存在せずうまくいきませんでしたが、自分で修正すれば利用できるかもしれません。
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