NVIDIAが新しいデータセンター向けDPUの「BlueField-2」を発表、出荷は2021年を予定
NVIDIAがデータセンター向けのプロセッサである「DPU」に関するプロジェクトの最新情報を公開しました。NVIDIAは2020年4月にMellanoxを買収しましたが、この買収で得た資産をベースに新しいDPUとなる「BlueField-2 DPU」を、2021年に出荷すると発表しています。
NVIDIA BlueField-2 DPUs Set to Ship In 2021, Roadmaps BlueField-3&4 By 2023
https://www.anandtech.com/show/16139/nvidia-bluefield2-dpus-set-to-ship-in-2021-roadmaps-bluefield34-by-2023
Mellanoxは次世代SmartNICを用いたアイデアとして、ネットワーク機器と強力なARMベースのSoCを組み合わせ、SDNやストレージなどのさまざまなタスクをホストシステムからオフロードすることが可能なコンピューティングユニット「BlueField-2」を開発してきました。NVIDIAはこの「BlueField-2」を、同社の最新DPUシリーズとして、2021年にリリースします。
NVIDIAが2021年に出荷するべく開発を進めているという「BlueField-2 DPU」は、8つのARM Cortex-A72とVLIWアクセラレーションエンジンを採用し、これらがそれぞれネットワーク接続のためのConnectX-6 DXNICとペアになるよう設計されています。テクノロジーメディアのAnandTechはNVIDIAの次世代DPUとなる「BlueField-2 DPU」について、「データセンター内のドメイン固有アクセラレータにおける、段階的な移行の次のステップであり、ネットワーク・ストレージ・セキュリティのワークロードをホストCPUからオフロードできる、より特殊なプロセッサ」と説明しています。
NVIDIAは強力なGPU製品でデータセンター市場において成功を収めています。そのため、NVIDIAがデータセンター市場でより大きな成功を収めるために、これまで製品ラインナップには持っていなかったサーバー向けユニットとしてBlueField-2 DPUを開発することは「容易に理解できる方針」とAnandTechは記しています。
なお、NVIDIAはBlueField-2ファミリーとして「BlueField-2 DPU」と「BlueField-2X DPU」の2つをリリースする予定。BlueField-2 DPUは2つの100Gbsイーサネット/InfiniBandポートを備えた、従来のSmartNICと同じDPUで、NVMe over Fabricsのようなストレージタスクにも対応しています。
一方で、BlueField-2X DPUにはNVIDIAのAmpereアーキテクチャを採用したGPUが組み込まれており、ネットワーク内コンピューティングを介してさらに高速化を実現することが可能です。NVIDIAはBlueField-2X DPUに搭載されるGPUの詳細を明らかにしていませんが、以下の画像のレンダリングが正確な場合、メモリチップはNVIDIAのハイエンドビデオカードに搭載されているものと同じ「GA102」である可能性があるとAnandTech。これにより、BlueField-2X DPUはコンピューティングパフォーマンスにおいて、非常に強力なパフォーマンスを実現することが可能です。
なお、NVIDIAのDPUプロジェクトはBlueField-2ファミリーに留まりません。BlueField-2ファミリーをベースとして、次世代モデルとなる「BlueField-3」および「BlueField-4」も今後リリースする予定。
BlueField-3はBlueField-2の強化版という位置づけですが、BlueField-4はNVIDIAの影響がコアシリコンにまで組み込まれる最初のモデルとなる予定。NVIDIAは「ディスクリートDPU+GPU」という、BlueField-2およびBlueField-3の設計を大幅に上回ることができる単一の高性能DPUの設計を計画しています。なお、NVIDIAはBlueField-4について、「400TOPSのAIパフォーマンスを実現することを期待している」と述べました。
さらに、NVIDIAはGPU向けのソフトウェア開発キット(SDK)であるCUDAと同じ戦略をDPUに導入し、BlueField-2以降のDPU向けSDKとして、「DOCA(Data-Center-Infrastructure-on-a-Chip Architecture)」を提供することも発表しました。
なお、NVIDIA製の次世代DPUはASUSやAtos、Dell Technologies、富士通、GIGABYTE、H3C、Inspur、Lenovo、Quanta/QCT、Supermicroといった、世界中の大手サーバーメーカーが、自社のエンタープライズ向けサーバー製品に採用する予定です。
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in ハードウェア, Posted by logu_ii
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