中国の大手ECサイトを通じて2000億円以上のマネーロンダリングが行われていたと中国当局が発表
中国当局が、海外のギャンブルサイトで行われていた総額140億人民元(約2164億円)のマネーロンダリングを摘発したと発表しました。この事件を報じたイギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、中国国内から海外のサイトへの送金には、中国の大手ECサイト拼多多(Pinduoduo)が使われていたとのことです。
Subscribe to read | Financial Times
https://www.ft.com/content/e669a621-b40b-45b0-abc0-9648d10cdd1b
Police: Money Launderers Using Chinese eCommerce | PYMNTS.com
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Money-launderers use Chinese online shopping sites to funnel cash offshore | Armenian American Reporter
https://www.reporter.am/money-launderers-use-chinese-online-shopping-sites-to-funnel-cash-offshore/
FTは2020年9月16日に、中国で2番目に大きいECサイトのPinduoduoをはじめとする複数のオンラインショッピングサイトが、中国で違法とされているギャンブルを楽しむために利用されていたと報じました。
この報道によると、今回中国当局に逮捕された犯人らは、Pinduoduoでの買い物を装って偽の注文を行い、同額を海外のギャンブルサイトに送金していたとのこと。この行為が、ギャンブルを禁止する中国の法律に抵触しているだけでなく、不正なマネーロンダリングにもあたるとして、中国当局は取り締まりを実施しました。
上海にほど近い中国東部の都市である無錫市(むしゃくし)では、架空の取引により発生した偽の荷物6億件が追跡システムに登録されていたケースも発生しています。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックがきっかけで、ギャンブルにはまってしまったというZhao Yongdong氏はFTに対し、「Pinduoduoでの購入を通じて、今年に入って11万人民元(約170万円)を海外のギャンブルサイトに移しました」と証言しました。また、別のギャンブラーであるWang Kai氏は、「送金のために、Pinduoduoで477回も偽の買い物をしました」と話しているとのことです。
中国の中央銀行である中国人民銀行はFTの取材に対し、「我々はこのような、国境を越えたマネーロンダリングのネットワークの調査をしています」とコメント。また、公安局の警察官であるNi Shiyuan氏は、「中国当局はオンラインのショッピングプラットフォーム、特に新しいソーシャルeコマースプラットフォームに対して、内部統制を強化するよう促すべきです」と話しています。
また、Pinduoduoの広報担当者は、「摘発のあおりを受けたギャンブラーがPinduoduoの事務所におしかけて、返金を要求してきたこともあります。中国ではギャンブルは違法なので、我々は彼らを警察に通報しました」と述べました。
Pinduoduoの発表によると、同社は2019年以降、海外へのマネーロンダリングが疑われるケースを1000件以上警察に通報し、これにより200人以上が逮捕されているとのことです。
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