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成人の4分の3が「FacebookやTwitterは政治的な検閲を行っている」と考えていると判明


新たな調査によって、アメリカの成人の4分の3が「ソーシャルメディアは政治的観点で情報が『不愉快』かどうかを検閲している」と考えていることが判明しました。トランプ大統領や共和党の過激派は、これまでも「Googleは情報を操作している」など根拠のない主張を繰り返してきており、調査結果はこのような考えが国民の間で広まった結果だとみられています。

Most Americans Think Social Media Sites Censor Political Viewpoints | Pew Research Center
https://www.pewresearch.org/internet/2020/08/19/most-americans-think-social-media-sites-censor-political-viewpoints/

ピュー研究所が2020年6月に4708人を対象として行った調査によると、アメリカで暮らす成人の4分の3が「ソーシャルメディアは政治的観点で投稿が『不愉快』かどうかを検閲している」と考えていることが判明しました。細かくいうと、上記の点について「very(非常にそう思う)」と答えた人は37%、「somewhat(ある程度はそう思う)」と答えた人が36%で、約73%がソーシャルメディアによる政治的検閲は存在すると考えていました。

以下は、質問に対し、「very(非常にそう思う)」「somewhat(ある程度はそう思う)」「not very(あまりそう思わない)」「not at all(全くそう思わない)」と答えた人の割合を示したグラフ。グラフは大きく「アメリカの成人」「共和党支持者」「民主党支持者」の3つにわかれており、各回答は2018年と2020年でどう変化したのかも示されています。


調査では、「アメリカの成人」「共和党支持者」「民主党支持者」のいずれにおいても、いくらかは政治的検閲が行われているという回答が多数となりました。特に、共和党支持者は2018年から2020年で「そう思う」と考える人が増加しています。

ソーシャルメディアの検閲問題は、2020年5月にTwitterがトランプ大統領の投稿にラベル付けを行ったことから注目が高まりましたが、それ以前から、トランプ大統領は「Googleの検索結果はフェイクニュースだけを表示している」といった発言を繰り返しており、共和党員や共和党支持者の中ではテクノロジ-企業が情報を操作しているという考え方は広まっていました。

Twitterがトランプ大統領のツイートに初めて「誤解を招く可能性がある」とラベル付け - GIGAZINE


トランプ大統領の発言は全く根拠のないものですが、過激派の発言により、国民全体に検閲に関する見方が広まったとみられています。バージニア大学のメディア学者であるシバ・ヴァイディヤナサン氏は「大部分のアメリカ人はFacebookやGoogleが何を行っているのかという感覚を、FacebookやGoogleで広まっている全く根拠のない主張から得ています」と指摘しました。

一方で、「不適切や誤情報のラベルをソーシャルメディアは付けるべきか」という点については、党派によって考え方に差が出ました。以下のグラフは上からアメリカ成人全体、真ん中が共和党支持者、一番下が民主党支持者の回答を示し、左から「全くそう思わない」「あまりそう思わない」「ある程度は必要」「かなり必要」となっています。共和党支持者の50%が「全くそう思わない」と回答しているのに対し、この回答の民主党支持者の割合は11%にとどまりました。


そして、ソーシャルメディア企業が不正確な投稿にラベル付けすることに対して、多くの人が「信頼していない」と答えていることも判明。これも党派によって差があり、共和党支持者は民主党支持者よりも「信頼していない」と回答した人が多くなりましたが、回答者全体からみれば67%が「全く信頼していない」「あまり信頼していない」と回答しています。


このような見解が広まった理由の1つに、GoogleやFacebookがアルゴリズムで制御されており、一体何を行っているのかを人々が理解できないという背景があります。この問題を解決するためには、テクノロジー企業が「どのようなニュースを表示させているのか」ついて、さらに透明性を高めることが挙げられています。

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in ネットサービス,   ウェブアプリ, Posted by darkhorse_log

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