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「最も信頼できるニュース源」にGoogleなどの検索エンジンが選ばれたことが判明

By Spencer E Holtaway

社会の動きをつかむための情報ソースといえば、従来は新聞やテレビ、ラジオなどのメディアが主流でしたが、ここ十数年のネットの発達によりその情勢は大きく変化したといえます。人々が最も信頼している情報源について調査した最新の結果から、ついにGoogleやYahoo!などのオンライン検索エンジンが最も信頼されるニュースソースとして支持されるに至っていることが明らかになりました。

Trust Around the World - 2015 Edelman Trust Barometer
http://www.edelman.com/insights/intellectual-property/2015-edelman-trust-barometer/trust-around-world/

この調査結果を明らかにしたのは、世界規模のPR会社であるエデルマン。同社では世界各国の政府・メディア・NGO・企業などの信頼度調査を毎年実施し、その結果を公表しています。

エデルマンが発表した最新の調査結果によると、一般的なニュースや情報を探す際に64%の人がオンライン検索エンジン(Online Search Engines)を最も信頼しており、初めて新聞やテレビといった従来のメディア(Traditional Media)を上回ったことが明らかになりました。さらに、1980年代から1990年代に生まれ、デジタル化された生活様式の中で育ってきたいわゆるミレニアル世代の間では、その信頼度は72%とさらに高い数値をたたき出していることが明らかにされています。


この結果は、25歳から64歳で大学卒の学歴を持ついわゆる知識層(Informed Public)を対象にしたもの。ソーシャルメディアやオウンメディア(企業などが自身で発信しているメディア)なども増加傾向を示していることも判明していますが、トップ2に比較するとまだまだ低い数値にとどまっていることも明らかになっています。

さらに調査では、「一般的な情報を入手する最初の情報源」「最新のニュースを入手する最初の情報源」「ニュース内容の信頼性を確認するための情報源」の3つのケースで最も用いられているメディアを調査。ここでも検索エンジンはほぼ全ての項目でテレビや新聞に差をつけ、最も信頼されている情報源であることが明らかになっています。


ここで興味深いのは、Googleなどのいわゆる「検索エンジン」は、自らニュースを発信していることがほとんどないという事実。既存のメディアに対しては「発信しているものを受け取る」というスタイルで情報を得ていたのに対し、検索エンジンを使う場合には「主体的に情報を探す」というスタイルが主流になってきていることを示唆するような結果となっていました。

エデルマンが公表している以下の調査結果では、メディアに対する信頼度に加えて各国の政府やNGO団体、企業に対する信頼度の状況が示されています。

2015 Edelman Trust Barometer - Global Results from Edelman Insights


◆日本における同様の調査結果も明らかに
エデルマンの日本法人であるエデルマン・ジャパンからも同様の調査結果が公表されています。以下の内容は2014年度のためやや古い情報にはなりますが、世界の状況と比較して興味深い内容を読み取ることができます。

2014 エデルマン・トラストバロメーター 日本調査結果
http://www.edelman.jp/sites/jp/pages/insights.aspx?ItemID=42

日本においても信頼できる情報ソースの第一位にはオンライン検索エンジンが選ばれているのですが、注目すべきはその数値。世界的な調査ではおよそ70%という高い数値を示していた検索エンジンですが、日本においては44%という数値にとどまっていること、そして他のメディアにも大きく差をつけられていないのが特徴的といえそうです。さらに、スライドの下部で示されているように、一般的な情報や最新ニュースの情報源としての信頼度があまり高くなく、あくまで「信頼性を確認するための情報源」として用いられているという世界との違いが浮き彫りとなっています。


まだまだ日本では、ネットからの情報に対する信頼度が低いことを示すような内容になっているのが興味深いところ。はたしてその理由は従来メディアの信頼度の高さにあるのか、それともなかなか新しいメディアに移行できない保守的な国民性が根底に存在しているのか、いずれにせよ日本の独自性・特殊性を示すような結果といえます。

「世界と逆行」という観点からは、別の興味深いポイントを見つけることもできます。2013年から2014年にかけて、日本では政府に対する信頼度が32%から45%に上昇したという結果が示されているのですが……


これは、世界の趨勢とは逆を行く傾向にあるとのこと。多くの国では政府の信頼度が落ちているのに対し、アラブ首長国連邦やオーストラリアに並んで日本では政府への信頼度が大きく向上していたことが明らかになっています。


それでも、まだまだ日本では政府に対する信頼度が低いということも面白いところ。この信頼度の低さとそこからの急上昇ぶりは、ここ最近の政治状況の変化を如実に表しているものといえるのかもしれません。


このように、なかなか興味深いデータが示されているエデルマンの調査結果でした。調査報告書は以下のリンクから全編を閲覧することが可能です。

2014 エデルマン・トラストバロメーター from Edelman Japan

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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