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仕事の傍らで進めるサイドプロジェクトを飽きずに最後までやり遂げるために重要なこととは?


仕事とは別に個人的なサイドプロジェクトを実行し、業務から離れた自身の成果物を発表することは魅力的に思えますが、実際に強い意欲を保ち続けてサイドプロジェクトを完遂させることは困難です。そこで、「サイドプロジェクトを最後までやり遂げるために重要なこと」について、ソフトウェア開発者のHugo Zapata氏が解説しています。

How to finish your side project.
https://hugozap.com/posts/how-to-finish-your-side-project/

「サイドプロジェクトを完遂するのが難しいことは秘密でも何でもありません」と語るZapata氏は、これまでに複数のサイドプロジェクトに挑戦してきたそうです。取り組んだサイドプロジェクトには成功したものも失敗したものもあったそうですが、その経験からZapata氏は効果のあった方法やヒントを得ることができたとのこと。


そもそも、サイドプロジェクトを立ち上げた当初は誰もが高いモチベーションを持っており、サイドプロジェクトの優先順位は非常に高いものです。また、サイドプロジェクトに従事することは楽しいため長時間作業し続けることも可能で、週末であってもサイドプロジェクトに没頭できます。

ところが、しばらくするとやる気が減少し、他の仕事や趣味をサイドプロジェクトより優先するようになり、興味も新しい別のものに移ってしまいます。やがて、作業間隔が空いてしまって以前取り組んでいた作業内容を忘れてしまい、結果としてサイドプロジェクトはお蔵入りしてしまうとZapata氏は指摘。

Zapata氏が「サイドプロジェクトに立ちはだかる課題」として掲げているのが、「頻繁なタスクの切り替えと高い認知的負荷で疲れ果ててしまうこと」「興味や動機を失ってしまうこと」「完璧主義」「インポスター症候群(詐欺師症候群)」「焦点の欠如」「時間の不足」「予期しない出来事」といったもの。こうした課題に対処してサイドプロジェクトを完遂させるため、Zapata氏は複数の方法を提案しています。


◆1:目標の再構成
サイドプロジェクトが失敗する大きな理由に、「最初に掲げた目標がはっきりしていなかった」というものがあります。最初は自分が思いついたアイデアにワクワクしていたものの、いざ作業を初めてみると自分はそのアイデアを追求したかったのではなく、単に「アイデアにかこつけて新しいツールを触ってみたかっただけだった」と気づくこともあるとのこと。そのため、自分が本当に達成したい目標について深く考えることは、モチベーションを維持するために重要です。

また、最終的な目標があまりに野心的すぎるため、達成する前に燃え尽きてしまうというケースも少なくありません。もし、これまでに多くのサイドプロジェクトを追求してきたものの、どれも目標を達成できずに中断してしまっている場合、「より小さな目標」を設定して負荷を減らした状態でプロジェクトを完了させるのも一つの手だとのこと。

◆2:小さなステップで作業する
Zapata氏は、本来の仕事の傍らで進められるサイドプロジェクトが一般に厳しいスケジュールになることを指摘し、最初から「中断」を頭に入れておくべきだと主張しています。そのため、サイドプロジェクトの作業を進める時は一気に全てを進める気持ちで取り組むのではなく、やるべきことを小さなタスクに分割して細かい達成感を得ながら作業するといいそうです。サイドプロジェクトを完了させるまでには長い時間がかかるため、小さなステップで達成感を得ることはモチベーションの持続にも役立ちます。

◆3:作業前にウォーミングアップを行って認知の負荷を減らす
実際の作業を始める前に、「今回の作業ではこれを完了させる」と文章で書き出してみることをZapata氏は推奨しています。文章でタスクを書き出すことは、これから自分が取り組むべき内容について理解することを助け、さっきまでの作業から気分を切り替える役に立つとのこと。また、作業が終わったら現在の進捗状況をログにしてまとめ、今後やるべきタスクを書いておくと、次に作業を始めた際に必要な認知的負荷を軽減して作業効率を上げることができます。


◆4:サイドプロジェクト用のシステムユーザーを作る
作業中にサイドプロジェクトとは関係ない事柄のリマインダーが表示されたり、ファイル検索中にサイドプロジェクトとは関係ないものが見つかったりすると、その度に集中力が削がれてしまいます。そのため、サイドプロジェクトでは作業環境をできるだけ通常時と切り替えるべきですが、精神的な負荷をできるだけ減らすためにも、作業環境をサイドプロジェクト用に切り替えるための作業は最小限にするべきです。

そこでZapata氏は、「デバイスにサイドプロジェクト用のシステムユーザーを作る」ことを推奨しています。システムユーザーを切り替えるだけでカレンダーやメモ、リマインダーがサイドプロジェクト専用となり、デスクトップ上のファイルにサイドプロジェクトと関係ないものが存在しない状態を用意することができるとのこと。また、「本を執筆する」といったタイプのサイドプロジェクトであれば、それ専用のデバイスを購入して不要なソフトウェアをインストールしないという手段も有効かもしれません。


サイドプロジェクト専用のメールアカウントを取得することも、余計な通知などに邪魔されないようになるため有効です。Zapata氏はメールソフトをメモ代わりのツールとしても利用しているそうで、複数のデバイスで同じメールアカウントを共有することで、どこにいてもアイデアを書きとめることができると述べています。

◆5:作業する場所を普段と変える
サイドプロジェクトの作業を行う際、普段の仕事や趣味で使っている場所とは違う所で作業することもオススメだとのこと。同じデスクを複数の用途に使うのではなく、特定の場所を「サイドプロジェクトを進める場所」に決めることで、より作業効率が上がるそうです。


Zapata氏はサイドプロジェクトを完遂させるためのヒントについて述べた後で、「放棄されたサイドプロジェクトは、最終的に失敗ではないかもしれません」と指摘。放棄されたサイドプロジェクトの中で考えたアイデアが数年後に役立ったり、サイドプロジェクト自体は失敗したものの何か新しいことを学ぶことができたりと、後々になって失敗したサイドプロジェクトでの経験が役立つこともあるとのこと。とはいえ、できるだけ途中で放棄せずにサイドプロジェクトを完遂させ、成果を発表することは素晴らしいものだとZapata氏は述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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