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大人のADHD当事者が社会で活躍するためのヒント


注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、不注意や衝動性を特徴とする発達障害のひとつですが、高い創造性を持つことでも知られており、工夫と適切なフォローがあれば社会の中で活躍することも可能です。ADHDを持つ大人がよりよい生活を送れるようにすることを目的とした非営利団体である注意欠陥障害協会(Attention Deficit Disorder Association:ADDA)が、ADHDの人が働く上で助けとなるアイデアをまとめています。

ADHD Accommodations Guide | ADHD At Work
https://adhdatwork.add.org/adhd-accommodation-guide/

ADDAによると、ADHDの人が職場で同僚とスムーズに仕事をするのに必要なアプローチに「正解」や「不正解」はないので、いろいろな工夫を試してみて「ちょうどいい」と感じたら継続し、「何か違う」と感じたら別の方法を探してみるといいとのこと。その工夫の一例を、ADHDの人が職場で抱えがちな問題ごとにまとめたのが以下です。

◆不注意と注意散漫
ADHDの人は、ほかの人よりも雑音や気が散る要素を排除するのが苦手です。そのため、何かに気を取られると話に集中するのが難しくなります。その対策として以下のような方法が考えられます。
・イヤホンで音楽やホワイトノイズを聞く。
・細かい作業や特に集中しなければならない仕事をするときは、誰もいない未使用スペースを使う。
・電話は留守電に録音させ、後でまとめて処理する。
・デスクにアイデアや考えを書き留めるノートを置いて、仕事の流れが中断されないようにする。
・会議中に思いついたアイデアは口に出す前にリストアップして、人の話の邪魔をしないようにする。
・マルチタスクを避けて、一度に1つの仕事をやるようにする。
・個室を要望するか、仕事を家に持ち帰ったり誰もいないタイミングで仕事をしたりする。
・1日の中で誰にも邪魔をされない時間が作れるよう同僚に依頼する。


◆衝動性
・よく発生する困難な状況に対応できるよう、台本を用意して誰かと一緒に予行演習する。
・自分に言い聞かせる「セルフトーク」を使って、衝動的な行動を制御する。
・周囲の人から、定期的に建設的なフィードバックをもらう。
・リラクゼーションや瞑想(めいそう)などを試してみる。
・衝動的な反応につながる要因を予測し、それに対処できるような方法をあらかじめ考えておく。

◆時間管理
・手帳やスマートフォンアプリなどを使ってミーティングや仕事の時間を管理する。
・壁やデスクにチャートを書いて、大きなプロジェクトを小さなタスクに分解する。
・各タスクに期限を設定する。
・PCやスマートフォンなどのアラームを活用する。
・ミーティングやアポを取った訪問などについて、移動時間も踏まえた計画を作り、移動開始時間をアラームにセットする。
・そのほかの会議や仕事についても、10~15分前にアラームが鳴るようにしておく。
・延期や取りやめで予定がなくなったり、逆に予定が長引いたりすることを想定して、余裕のあるスケジュールを立てる。


◆ワーキングメモリ不足
・会議でメモの山を作る代わりに、テープレコーダーやスマートフォンの録音アプリで会議を記録する。
・チェックリストを作ったり、複雑な仕事の手順表を作ったりする。
・掲示板や付箋など視覚的に情報を記憶できる方法を使う。
・PCのお知らせ機能など聴覚的に記憶を思い出させる方法を使う。
・手帳やスマートフォンアプリなどを使って、会議や仕事の記録をとる。


◆複雑で長期的なプロジェクトの管理
・長期的なプロジェクトを短期目標に、短期目標をタスクに分割する。
・「瞬発力」をいかせるように、できるだけ短時間で仕上がるよう努力する。
・上司や先輩に頼んで、仕事の優先順位を見極める。
・整理整頓が得意な同僚と協力する。
・長期的なプロジェクトに携わらない仕事を選ぶ。

◆書類仕事
・細かい書類の処理や、自分が作った書類のダブルチェックを事務の担当者に依頼する。
・使う書類だけ保管し、使わないものは処分するようにする。
・書類を何枚も使わないようにする。
・色分けされたフォルダーや見分けやすいラベルを使って効率的にファイリングする。
・細かい事務作業は疲れていない時にやるようにする。


◆単調な仕事
ADHDの大人の多くは、長くて退屈な仕事や細かい作業が多い仕事に直面すると困ってしまいます。なぜなら、そうした仕事は脳への刺激が少ないので、集中力につながらないからです。そこで、以下のような方法で関心を持って仕事に取り組めるようにするといいとのこと。
・タイマーを使って「30分でどこまでやれるか」といったチャレンジをする。
・長い仕事は短い仕事に分割する。
・何回も休憩をはさみ、歩いて気分転換する。
・繰り返しの仕事が得意な同僚と仕事を交換してもらう。
・自分が興味を持てる仕事を選ぶ。


◆対人関係
ADDAによると、ADHDの人は時々他の人の話を遮ったり、他の人の話を聞かなかったり、つっけんどんに話したりすることがあるとのこと。このような行動は失礼で思いやりのない人だという評価につながってしまうので、以下のような方法で防ぐ必要があります。
・信頼できる同僚に、他の人に接する態度について建設的なフィードバックをもらう。
・信頼できる同僚に、自分がやりすぎた時に合図を送ってもらえるようにする。最終的には、自分でやりすぎに気づけるようにするのが理想。
・信頼できる人と協力して、対人関係で問題につながりやすい状況を洗い出し、それに対処する計画を立てる。
・他の人とのやりとりが必要ない仕事を選ぶ。

◆先延ばしのくせ
・上司に頼んで仕事に期限を設定してもらう。
・時間管理してくれる同僚とチームを組む。
・仕事を小さく分割して、小刻みにゴールを達成できるようにする。


◆多動性
・短期的で体を動かす仕事を選んだり、仕事の合間に少し歩くようにしたりして、長時間同じ仕事をしないようにする。
・会議の時や長文を読む時は積極的にメモをとるなどして手を動かし、そわそわしないようにする。
・落ち着かなくなったら、散歩するなどして動き回る。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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