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仕事に集中して最高の生産性を得るには「休憩を取る」ことが必要

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現代では仕事において、労働時間よりも生産性の向上に焦点を当てる人々が多くなっています。朝から休憩をとらずに仕事をし続ければ午後3時になると疲れ果ててしまいますが、かといって休憩が長引きすぎてうっかり2時間もSNSを見てしまえば集中力が途切れて生産性が低下してしまうもの。仕事に集中するためにも適切な休憩を取ることが必要だと、心理学者のエレン・ヘンドリクセン氏が解説しています。

7 Strategies to Maximize a Break Without Losing Focus
https://www.quickanddirtytips.com/health-fitness/mental-health/7-strategies-to-maximize-a-break-without-losing-focus

休日や有給休暇といった終わりと始まりの決まった休息時間は、人間の休息にとって非常に大きな役割を果たしています。しかし、1日の仕事のうちにちょっとした休憩を取るのは意外に難しく、締め切りや上司の目、罪悪感といった要因からついつい休息を取らずに働き続けてしまいがちです。一方で休憩が長引きすぎると集中力が低下してしまいます。しかし、ヘンドリクセン氏は仕事中であっても適切な休憩を取ることで、結果的に生産性が向上すると述べています。ヘンドリクセン氏が主張する、仕事中の休憩に関する7つの提言がこれ。

◆1:どのようなタイプの休憩でも休憩しないより有益
多くの人は、「休み時間中にビデオを見たり、音楽を聞いたり、ゲームをしたりすると逆に集中力が落ちてしまう」と考えています。しかしヘンドリクセン氏によると、どんな種類の休憩であっても、仕事の手を休めることが結果的に生産性を向上させるとのこと。

2017年の研究では、集中力を要する45分のタスクを2つのグループに行わせることで休憩が生産性にどれくらい影響を与えるのかを調査しています。1つのグループにはタスクを休憩を取らせずに行わせ、別のグループにはタスクの途中で「スマートフォンでゲームをする」「黙って座る」「曲を聞く」「ビデオを見る」といった異なるタイプの休憩を5分間取らせました。その結果、いずれの種類の休憩を取ったグループでも、全く休憩を取らなかったグループと比較して優れたパフォーマンスを発揮したとのこと。どんな種類の休憩であっても、休憩を取らないよりはマシだとヘンドリクセン氏は考えています。

by Adrianna Calvo

◆2:仕事とは違う内容の休憩が効果的
人間は持続的に与えられる刺激にはやがて慣れてしまう生き物です。交通量の多い場所に住んでいる人は、やがて家の前が車の走る音でうるさくても気にしなくなります。これは仕事についても同様であり、刺激的なプロジェクトに参加していようとも、ずっと同じ仕事に従事していると人は刺激を得にくくなってしまうとのこと。

そこで、イリノイ大学の研究者らは仕事中に適切な休憩を取ることで、「認知目標をリセットし、仕事の刺激を取り戻すことができる」と主張しています。たとえば1日中スクリーンを見つめる仕事であれば、休憩時にはスクリーンを見ないタイプの気晴らし(散歩や軽い運動)をすることがより効果的とのこと。しかしヘンドリクセン氏は、たとえスクリーンを見るタイプの休憩であっても、休憩を全くしないよりは優れていると述べました。

by Lukas Hartmann

◆3:生産的であるが簡単な作業も休憩に適している
仕事中に取った休憩にあまりにのめり込みすぎると、すっかり仕事に対してのやる気が失われていたり、思わぬ時間がたっていたりします。そんな事態を避けるため、ヘンドリクセン氏は「生産的だが簡単なタスクをこなすこと」も休憩には適していると主張します。

たとえばメールの並び替えをしたりプライベートな旅行のために飛行機のチケットを予約したり、頭脳を使う必要のないタスクは仕事に対する姿勢を崩さずに、脳をシフトダウンさせることができるとのこと。仕事からかけ離れたタイプの休憩が効果的であるという事実と組み合わせて、うまく生産性を損なわずに休憩を取ることができれば最良です。

by bruce mars

◆4:時間がない時はたった1分でもいいから休む
「休憩を取らなくては」と考えると、1回に10分や15分といったまとまった時間を確保しようと考えがちです。しかし、疲れを回復させて次の仕事に備えるのではなく、仕事によりよく集中するために取る休憩であれば、別に長い時間を確保する必要はありません。

メルボルン大学の研究者らが行った研究では、被験者にPCのスクリーンを眺め続ける必要のある連続したタスクを課し、作業中にわずか40秒だけ「花や緑であふれた屋上」の写真を見せました。すると、自然を感じられる写真を見たグループは作業におけるミスを大幅に減らすことができたとのことで、現実の仕事中でもほんの1分間窓際に立ち、外の緑を眺めるだけで生産性をアップできるとヘンドリクセン氏は述べています。

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◆5:午前中に休憩を取るべき
多くのデスクワーカーは午前よりも午後の仕事時間が長いため、午後3時くらいになってコーヒーを飲んだり、お菓子を食べたりといった休憩を取りがちです。しかし、ベイラー大学の研究者らの研究によれば、午前中に休憩を取った方が午後に休憩を取るよりも生産性をアップできるとわかりました。

午後3時の時点ではすでに労働者の脳は疲れ切っており、休憩をしたところで高い生産性を取り戻すことはできず、せいぜい頭脳を必要としない管理業務やメールのやり取りといった業務がはかどる程度だそうです。人々は午前中に最も集中力を発揮するため、午前10時や午前11時に休憩を取ることで、午前9時レベルの最高の生産性を取り戻すことが可能とのこと。

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◆6:仕事に集中できている時は無理に休憩を取らなくてもいい
「休憩を取らなくては」という考えにとらわれすぎて、厳格に25分仕事に集中したら5分休む、というサイクルを守る必要はないとヘンドリクセン氏は述べています。仕事に集中して取り組めており、創造力にあふれていると感じられる場合は、無理にブレーキを踏んで休憩しなくてもいいそうです。

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◆7:休日や休暇にはしっかりと休む
ノートPCやスマートフォンといったデバイスの発達や、メッセージアプリ、タスク管理アプリなどの普及によって、人々は休日でも仕事の連絡が来たら返信しなければならないように感じてしまいます。しかし、仕事中の休憩とは違って、休日や休暇は仕事への集中力を維持しつつ休む必要はありません。

たとえ平日の仕事がわずかに残っていても、休日ならばキッパリと仕事関連のタスクを遮断することも重要です。休日はのんびりと仕事をする日ではなく、完全に仕事をしない日だという意識を持ち、やりたかったことにチャレンジし、家族や友人と過ごすことが大事だとヘンドリクセン氏は述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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