Googleがマップのゲーム向けAPIを一般公開、ポケモンGOのような位置情報ゲームを誰でも作れるように
「ポケモンGO」や「Ingress」などの位置情報ゲームは、スマートフォンのGPS機能による位置情報とGoogleマップによる地理情報を組み合わせて遊べるゲームです。Googleが2020年6月16日に、位置情報ゲームを開発するために必要なGoogleマップのゲーム向けAPIを一般公開することを発表しました。
Google Maps Platform gaming solution now available to everyone | Google Cloud Blog
https://cloud.google.com/blog/products/maps-platform/google-maps-platform-gaming-services-now-available-everyone
Google opens Maps data to all game devs, which could lead to Pokémon Go rivals - The Verge
https://www.theverge.com/2020/6/15/21291918/google-maps-gaming-tools-developers-pokemon-go
Googleマップの情報をゲームエンジンのUnityで利用できるツールは、2018年3月に発表されました。しかし、Googleによれば、2018年にツールを使えたのは限られたゲームスタジオのみで、ツールを使って開発された位置情報ゲームは10タイトルしかなかったそうです。
Googleマップのデータをゲームに利用できるようにするとGoogleが発表 - GIGAZINE
このツールについて、独立系ゲームの開発スタジオや開発者から多くの問い合わせがあったそうで、「そこで、すべての開発者へのアクセスを拡張し、サインアップしてオンラインですぐに開始できるスケーラブルなインフラストラクチャの構築に着手しました。2020年6月16日より、魅力的で没入型のゲームを開発するためのソリューションを、すべてのモバイルゲーム開発者に公開します」とGoogleは述べています。
Googleマップを利用したゲームを開発するためには、Googleマップの情報をそのままソフトウェア開発に応用できるGoogle Maps Platformへの登録が必要。配布されているMaps SDK for Unityをインストールすることで、Semantic Tile APIとPlayable Location APIが自動的に有効になるとのこと。なお、Google Maps Platformは有償サービスですが、記事作成時点では1カ月200ドル(約2万1000円)分までは無料となっています。
220以上の国と地域をカバーするGoogleマップの情報が利用可能になることで、何億もの建物や公園、道路などといった都市情報にアクセスできるようになり、世界規模の位置情報ゲームを作成することができます。
以下の画像は、実際にGoogle Maps PlatformのMaps SDK for Unityを使って、人気ボードゲーム「ウイングスパン」をARゲーム化したもの。ARによる鳥とのふれあいのほか、地図情報を利用して実際に歩き回って鳥に会いに行くというバードウォッチングらしい要素が盛り込まれています。
また、2018年のリリース以降、地図の縮尺が大きくなると周辺の建物が高レベルでレンダリングされ、縮尺が小さくなると段階的に低いレベルで表示される「混合ズーム」や、マップ上での経路を探索する「パスファインディング」などといった新機能が、Maps SDK for Unityに追加されているとのこと。
Googleは「Maps SDK for Unityは、ゲームの世界と現実の世界をつなぐお手伝いをします」「ゲームを作りたいとずっと思っていた開発者であれ、大手のIP所有者と開発を始める準備ができている設立済みのスタジオであれ、現実世界のデータとARがあなたのビジネスに何をもたらすかを知りたいだけの企業であれ、皆さんが作ったゲームを私たちは待ちきれません」と語りました。
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