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NianticがAR開発者向けプラットフォーム「Lightship」を公開、さらに20億円以上を「リアルワールド・メタバース」実現に向けて投資へ


「Ingress」「ポケモンGO」などで知られるNianticが、AR(拡張現実)開発者向けプラットフォーム「Lightship」と開発キット「Lightship ARDK」を公開すると2021年11月8日に発表しました。さらに、ARの未来を築く企業に投資して提携するための「Niantic Ventures」も立ち上げたことも明らかにしました。

Niantic : AR開発者向けプラットフォーム「Lightship」をグローバルに展開 – Niantic
https://nianticlabs.com/blog/lightshiplaunch/?hl=ja

Niantic Ventures:リアルワールド メタバースを構築する企業への資金提供 – Niantic
https://nianticlabs.com/blog/nianticventures/

「Lightship」はIngressやポケモンGO、ピクミン ブルームに至るNianticの開発経験によって培われたプラットフォームで、AndroidおよびiOSデバイスで実行するクロスプラットフォームのソフトウェア開発キット「ARDK」を含みます。このARDKには「Mapping(リアルタイムでの現実世界の再現)」「Understanding(環境の理解)」「Sharing(体験の共有)」という上位3つのAR機能を強化するツールとテクノロジーが統合されており、開発者は独自のARエクスペリエンスを作成できるとNianticは述べています。

Mappingは、公共の場を「人々が探索し、集まり、つながる新しい体験」に変えることができるとのこと。例えば、ARDKのメッシングAPIは、スマートフォンのカメラセンサーやLiDARセンサーを使ってリアルタイムで3Dメッシュマップを作成し、周辺地形を把握してアプリ内に反映させることを可能にします。実際にメッシングAPIを使って、カメラで周辺の3Dメッシュマップを作成したところが以下のムービー。

Mapping Meshing tech demo - YouTube


Understandingはデジタルオブジェクトが現実世界と相互作用して、必要な場所に表示できるようにするもの。ARDKのセマンティック セグメンテーションAPIは、地面や空、水、建物など、現実世界の環境のさまざまな要素を即座に識別することができます。以下のムービーは、セマンティック セグメンテーションAPIを使って実際に空や地面を識別する様子。

Semantics tech demo - YouTube


Sharingは、すべてのAR体験をリアルに感じさせるため、他のプレイヤーとAR体験を共有するためのもの。ARDKのmultiplayer APIを使えば、最大5人のプレイヤーを同時にサポートするARセッションを簡単に作成できるとのこと。例えば以下のように、複数のプレイヤーで1つのARコンテンツに同時に干渉することも可能になります。

ARDK MultiPlayer Planet Landscape tech demo - YouTube


また、Nianticは世界全体の3Dマップを作成したいという目的で、Niantic ビジュアル・ポジショニング・システム(VPS)のデモンストレーションも行っています。

例えば以下のようにカメラセンサーで現実世界をスキャンし、現実世界に対応させる形でオブジェクトを配置することができます。


そして、同じアプリを使用する他のユーザーがそのオブジェクトにアクセスすることも可能です。


LightshipのARDKはすでに一部企業に提供されており、イギリスの王宮を管理する非営利団体・Historic Royal Palacesや全米プロゴルフ協会、日本の集英社などがアプリを開発中だと発表されました。特に集英社の開発するアプリは2022年にリリース予定だそうで、「モバイル端末とARによって、『ONE PIECE』や他の多くのマンガの素晴らしいキャラクターが現実の世界に存在することができます」とNianticはコメントしています。

そして、Niantic Venturesは、ARの未来を作ろうとする企業への投資を目的とした2000万ドル(約23億円)規模のファンドです。Nianticは、「Niantic VeturesはARエコシステムを促進する役割になりたいと考えており、創業者や投資家の方々には、私たちのビジョンである『リアルワールド・メタバース(現実世界でのメタバース)』を共有する企業を一緒に作っていただきたいと思っています」と述べています。

Nianticの創設者であるジョン・ハンケCEOは「Nianticは、世界中の人々にARを体験していただくこと、それを支えるプラットフォームを作ることを目標としています。これはNianticの設立当初から変わっていません。しかし、現実の世界とバーチャルな世界を融合させ、人と技術の関係を変革するには、可能な限り多くの方々の意見と視点が必要です。だからこそ、開発者、ブランド、クリエイター、そしてARを探求する仲間にインスピレーションを与え、ARの可能性を押し広げる、ヒト中心型の包括的な体験を生み出す皆さんに、Lightshipのプラットフォームをご利用いただけることをたいへん嬉しく思っています」とコメントしました。


なお、Nianticの基調講演は以下で見ることができます。

Lightship Global Launch Keynote - YouTube

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in モバイル,   ソフトウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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