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新型コロナウイルスの影響により「アメリカ人の3分の1がうつ病や不安障害になった」との調査結果


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による脅威は多くの人にとって心理的な負担となっています。アメリカ国勢調査局の調査により、新型コロナウイルスの脅威にさらされる国民の3分の1が精神的な不調に苦しんでいることが明らかになりました。

A third of Americans now show signs of clinical anxiety or depression - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/health/2020/05/26/americans-with-depression-anxiety-pandemic/

アメリカの日刊紙ワシントン・ポストは、アメリカ国勢調査局が5月に実施した世帯調査の結果をもとに、うつ病や不安障害に苦しむアメリカ人の割合を算出しました。その結果、アメリカ人100人のうち、うつ病の症状がある人は4人、不安神経症の症状がある人が10人、両方の症状がある人は20人であることが明らかになりました。つまり、いずれかの精神疾患を患っている人は100人中34人にものぼります。


また、気分の落ち込みや絶望感を覚えた日数についての調査で、「ほとんど毎日」「数日間」「半日以上」と答えた人の割合は、2013年と2014年に行われた同様の調査の2倍にも及んだそうです。

一口にアメリカ人といっても、地域によって様相は大きく異なっています。うつ病と不安障害の両方の症状がある人の割合を州ごとに表した以下の図を見ると、アメリカ北西部の州は比較的割合が低い一方で、南東部の州は割合が高いことが分かります。特にアメリカ南部のミシシッピ州は、半数近くの人がうつ病と不安障害に苦しんでいるという結果になりました。


年齢によっても違いが出ました。不安障害の症状がある人を年齢層ごとに分けた左のグラフと、うつ病の症状がある人を年齢層ごとに分けた右のグラフでは、いずれも年齢が高ければ高いほど精神疾患を呈する割合が低くなっています。


ワシントン・ポストは、「こうした結果は若者の間でうつ病、ストレス、自殺が広がっているという既存の問題が激化している現状を表しています」と指摘。メンタルヘルスの問題を扱う非営利団体Mental Health Americaの代表者であるPaul Gionfriddo氏は、「学校や大学が再開を目指していますが、そのためには若者のメンタルヘルスへの配慮が不可欠です。机の間隔や教室に収容する生徒の人数については盛んに議論されていますが、メンタルヘルスのサポートについてはまったく話題にのぼりません」と述べました。

さらに、COVID-19によって貧富の差の問題も浮き彫りになっています。以下は、「過去7日の間に、悩み事を考えるのを止められなくなることがどれほどありましたか?」という質問の回答の割合を収入ごとに分けたグラフ(下にいくほど収入が多い)です。「全然なかった」と答えた人を示す左のグラフを見ると、収入が高いほど悩みを抱えている人の割合が少ないことが分かります。対照的に、「少なくとも数日間はあった」と答えた人を示す右のグラフを見ると、収入が低いほど悩みを抱えている人の割合が多いことが分かります。


ペンシルバニア大学の精神医学教授であるマリア・オケロンド氏は「現状を鑑みれば、不安になったりふさぎ込んだりしないほうがおかしいくらいです。COVID-19はハリケーンや地震、テロとは違って目で見ることも手で触ることもできません。それにもかかわらず、COVID-19の恐怖はそこら中にあります」と話しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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