ストレスを減らし集中力を上げるには「10分間呼吸に集中する」だけでいい
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でリモートワークに切り替わると、通勤時間が減る代わりに仕事とプライベートの境界線があいまいになり、ストレスが増加した人もいるはず。「瞑想」(めいそう)で呼吸に集中することはストレスを減らすだけでなく、集中力を増加させるとして、その科学的効果を科学系メディアのInverseが解説しています。
Mindfulness and mind wandering: The protective effects of brief meditation in anxious individuals - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1053810016303142
Meditation: Researchers find 3 cognitive benefits while working remotely
https://www.inverse.com/mind-body/how-meditation-can-help-you-focus-on-work-at-home
◆集中力を高める
ウォータールー大学の研究者が行った研究では、2つのグループにわけた82人の被験者にコンピューター上のタスクを行ってもらい、その集中度を測定しました。この時1つのグループにはタスクの前に10分瞑想を行ってもらい、もう1つのグループにはオーディオで物語を聞いてもらいました。実験の結果、瞑想は不安を抱え、注意が外界と自分の中の心配事を行ったり来たりしている被験者に対し、保護効果を発揮することが示されました。瞑想を行うことで思考の迷いがなくなり、目の前にあるタスクにより集中できることが実験から判明したとのことです。
◆思考を鋭くする
瞑想のポイントは「呼吸に集中する」ことにありますが、トリニティ・カレッジの研究では、瞑想中の呼吸がノルアドレナリンという脳内物質に影響を及ぼすことが示されています。
ノルアドレナリンは何かに挑戦したり、わくわくしたり、集中したり、感情的に盛り上がった時に放出される神経伝達物質であり、適切な量の放出であれば肥料のように働き脳の新しい接続を促すもの。つまり、呼吸によってノルアドレナリンが増加するということは、「呼吸のやり方によって注意力を増加させ、脳の健康を促進することが可能」だと言い換えができます。
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