サイエンス

7000年前のうんちが「ヒトのうんち」か「犬のうんち」かを機械学習で見分けてくれるAIが爆誕


人間と犬は約1万2000年前から行動をともにしていたことが知られており、「ヒトのうんち」なのか「犬のうんち」なのかがわからない化石が出土することもあります。そのようなうんち判別問題を機械学習で解決してくれるAI「CoproID」が新たに登場しました。

CoproID predicts the source of coprolites and paleofeces using microbiome composition and host DNA content [PeerJ]
https://peerj.com/articles/9001/

Does This 7,000-Year-Old Poop Belong to a Human or Dog? Machine Learning Has the Answer - VICE
https://www.vice.com/en_us/article/jge7j4/does-this-7000-year-old-poop-belong-to-a-human-or-dog-machine-learning-has-the-answer

糞石は、その名の通り排せつ物である糞の化石です。糞石には排せつ者のDNAだけでなく食料や腸内微生物などのDNAが詰め込まれているため、内容物を分析することによって当時の食生活や健康状態などがわかるという優秀な考古資料です。

しかし、そんな優秀な考古資料である糞石が「人間のものなのか、犬のものなのかが判別できない」という問題がかねてより指摘されていました。この問題は、犬は多くの場合人間と似た食生活をしていたため「便が似ている」ということに加えて、犬が時折人間の便を食べたり人間が時々犬の肉を食べたりすることによって、「ヒトと犬のDNAが混じった便」が見つかることが主な原因です。


この問題を解決するため、マックス・プランク人類史科学研究所やダラム大学、ハーバード大学、オクラホマ大学などの合同研究チームは、「ヒトのうんち」と「犬のうんち」を機械学習で区別してくれるAI「CoproID」を開発しました。CoproIDは現代の糞便のDNAと糞石のDNAを比較することによって、うんちの排せつ者を識別します。

研究チームはメキシコ・中国・ヨーロッパなどにある遺跡10箇所から発掘した糞石の13個に、糞石ではないものを正確に検出するかどうかを試験するために、糞石ではない堆積物7個を加えたサンプル計20個で判別試験を行いました。なお、試験に使われたもののなかで、最も古い糞石は約7200年前のものでした。

これらの試験の結果、CoproIDは糞石13個について5つは「ヒト」、2つは「犬」、残り6つは「不明」と判定。一方、糞石ではない堆積物7個については全て「糞石ではない」という結論を下しました。以下の画像が実際に試験に使われた糞石の画像です。


不明と判定された6つの糞石のうち、3つはヒトのものなのか犬のものなのかを識別できるほどのDNAが残されておらず、残りの3つの糞石は人間のものだと推定されうるほどの腸内細菌叢が残されていましたが、同時に犬のDNAも不可解なほど多く含まれていました。研究チームは後者について、「犬肉を食べた人間の排せつ物か、現代の犬とは全く異なる腸内微生物叢を持つ犬の排せつ物のどちらか」という推論を立てています。

毎日決まった時刻にペットフードを食べている犬に比べて、都市部でのゴミあさりや野生での狩猟から食べ物を得ている野良犬は全く異なる微生物が腸内にいた可能性があると研究チームは述べて、現代の犬と古代の犬は全く異なる腸内微生物叢を持っている可能性を指摘。「CoproIDの判定精度を上昇させるためには、犬の腸内微生物叢に関する研究の進歩が待たれます」と述べました。

研究チームは、今後は新しいデータをCoproIDに入力して判定精度を高める予定だとしています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1k_iy

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