JPEG・PNG・TIFF・HEICの画像ファイルのうち最も破損の影響を受けにくいのは?
多くの人が写真をスマートフォンで撮影する時代になっていますが、将来にわたって写真を残していきたいと考えた時に、保存用の写真のフォーマットとして何を選べばいいのかは気になるところ。そこで、TIFF、PNG、JPEG、HEICという4つのフォーマットの写真をわざと破壊し、もっとも復元率が高い写真が何かを調べる実験が行われました。
File Integrity 6 : Which image format is most resilient? – The Eclectic Light Company
https://eclecticlight.co/2020/04/21/file-integrity-6-which-image-format-is-most-resilient/
macOSと絵画についてのメディア「The Eclectic Light Company」の創設者であり、Macの開発者でもあるハワード・オークリーさんは、実験にあたって、画像データを破壊するオリジナルツール「Vandal」を使って画像を破壊しました。Vandalは1つの画像につき1~8バイトの変化を生み出すため、実験に使用された画像ファイルは1~2MBの比較的小さなものだったとのこと。非常に小さな破壊行為ですが、実際に画像は破損し、正常に開く事はできましたが、修復は不可能とまではいかなくとも困難だったそうです。
◆JPEG
JPEGファイルを破壊してみたところ、それが2MB中の2バイト、あるいは4MB中の4バイトといった小さな変化でも画像には「水平線」という形で変化が現れました。バイト数が8バイト、16バイトと増えるほどに見た目の変化は顕著となったとのこと。
またJPEGファイルを80~100%に圧縮するとダメージが大きくなることも確認されました。
非可逆のJPEGフォーマットはそこまで破損が目立ちませんが、一方、可逆圧縮のJPEGフォーマットは、実験した中でももっとも損傷が大きかった画像の1つだとされています。
◆PNG
「ほんのわずかな破損でもPNG形式の画像に与える影響は非常に破壊的です」とオークリーさんは述べています。画像に数バイト程度の小さな変化を加えたところ、画像の上半分はそのままなのに対して、下半分は全く様変わりするという結果に。
さらに数バイトの破壊を加えてみたところ、画像のうち表示されない部分が増えていきました。「わずかでも画像の破壊が起こる可能性がある場合、PNGでの保存は推奨しない」とオークリーさん。
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