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反ワクチン派は新型コロナウイルスの大流行にどう反応しているのか?


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のためにワクチン開発が期待されていますが、一方で、世界にはさまざまな理由からワクチン接種に反対するコミュニティが存在します。世界的なパンデミックを受けて反ワクチン派の考えは変わりつつあるのか、科学ジャーナリストのキャサリン・ギャモン氏がまとめています。

How the Anti-Vaccine Community Is Responding to Covid-19
https://undark.org/2020/04/16/anti-vaccine-covid-19/

反ワクチン派は特にアメリカで人々に亀裂を生み出しており、過去には反ワクチン派の両親を持つ少年が破傷風にかかり、47日間ICUに入院することになりながら、両親はなおワクチン接種を拒否したことが話題になりました

このような反ワクチン派の中にもCOVID-19の流行を目の当たりにし、考え方を変えた人も多くいるとのこと。

Covid-19 pandemic gives ‘anti-vaxxers’ pause
https://www.france24.com/en/20200411-covid-19-pandemic-gives-anti-vaxxers-pause


一方で、なおも根強く反ワクチンを支持する人もいます。「The Vaccine Conversation」(ワクチンについての対話)というポッドキャストのホストである、メリッサ・フロイド氏やボブ・シアーズ氏は「COVID-19に恐怖を抱いていません」「人々は手洗いについて話しますが、なぜ免疫力を上げるビタミンDについてや、砂糖を減らすこと、加工食品を避けて野菜や果物を食べることについて話さないのでしょうか?」と、日常生活の中で感染リスクを下げられることを示唆しました。

ワクチン擁護派による組織「Voices for Vaccines」(ワクチンの声)のエグゼクティブ・ディレクターであるカレン・アーンスト氏は、世界的なパンデミックによって反ワクチン派が意見を変える可能性は少ないとみています。反ワクチンの考えは信念やアイデンティティと結び付いており、「私は母親であり、自然に近い生活を推進しており、ゆえに反ワクチンである」と考える人にとって、反ワクチンという考えを否定することはアイデンティティを否定することにつながりかねません。アイデンティティを守るためには、ワクチンを否定することが重要になるためです。


そして、反ワクチン派がCOVID-19を否定する根拠には、「COVID-19は言われているほど危険ではない。もともと免疫に問題がある人や、高齢者の少数だけがなくなっている」という考えがあることも指摘されています。実際には、30代から50代の健康な人々も病気になっていることが伝えられています。

新型コロナウイルスで戦場と化した病院の実情を医師が訴えるムービーが公開中 - GIGAZINE


反ワクチン派の中には陰謀論を支持している人も多く、「5Gが新型コロナウイルスを拡散している」という考えや、「ロックダウンと社会的距離戦略は政府が国民を追跡し、人々にワクチンを接種させるための方法だ」という主張をする人も。

The lockdown and "social distancing" is psychological and economic warfare against us so we will accept mandatory vaccination.

Larry Cookさんの投稿 2020年4月11日土曜日


このような反ワクチン派は、自然免疫の獲得がワクチンによる免疫獲得よりも優れていると考えているとのこと。かつて、水痘ワクチンが開発される前のアメリカでは、あえて子どもを水痘にかからせる「水痘パーティー」という行動が取られていました。水痘は大人より子どもの方が症状が軽いため、子どものうちに感染した方がリスクが小さく済むためです。このような「意図した感染パーティー」は新型コロナウイルスにおいても反ワクチン派が注目するところであり、保守派のニュースメディア「The Federalist」も取り上げています。

How 'Chickenpox Parties' Could Turn The Tide Of The Wuhan Virus
https://thefederalist.com/2020/03/25/how-medical-chickenpox-parties-could-turn-the-tide-of-the-wuhan-virus/



そして、社会的距離戦略が取られる中で、2歳未満の乳児に対する定期的なワクチン接種の機会が奪われている事も問題として指摘されています。本来であれば子どもにワクチンを受けさせるはずの親が、外出禁止や集団を避けるために子どもの診察をスキップする事態が生じており、反ワクチン派がこのような親を称賛する行動もみられています。

一方で、カリフォルニア免疫連合のエグゼクティブディレクターであるキャサリン・フローレス・マーティン氏は、SNSにおける反ワクチン派に対する投稿に変化がみられることを指摘。公衆衛生への意識の高まりにより、人々の反ワクチン派に対する許容が低下しているとマーティン氏は見解を述べています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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