Google Chrome 81安定版リリース、PWAアプリやWebXRの機能が強化されたほか、今後のリリース予定も変更へ

ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン81.0.4044.92がリリースされました。延期されていたリリースの今後の予定が明らかになったほか、WebXRに新機能が搭載されたり、PWAアプリのアイコンにバッジを設定できるようになったりしています。

New in Chrome 81  |  Web  |  Google Developers
https://developers.google.com/web/updates/2020/04/nic81

New in Chrome 81: App icon badging lands in stable, new origin trials, hit testing for WebXR & more! - YouTube

◆今後のリリース予定が変更
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響で、Google Chromeのリリース予定が変更されています。本来2020年3月17日にリリースされる予定だったChrome 81が4月7日まで延期されたほか、Chrome 82のリリースはスキップされており、次は5月19日にChrome 83がリリースされる予定となっています。

今後のリリース予定も随時変更される可能性がありますが、最新情報はGoogleのサイトで確認可能です。

◆ページ移動した先で表示するべき場所をリンクで指定できるように
URLの末尾に「#:~:text=」に続いてテキストを入力すると、その入力したテキストが当該ページで初めて出てくる場所にページがスクロールされ、さらにハイライトされる機能が実装されました。例えば、この試食記事のURL末尾に「#:~:text=パッケージ」と加えてアクセスしてみると以下のように表示されます。

GoogleはChrome 80で実装したとアナウンスしていましたが、機能が有効化されておらず、実際に利用できるようになったのはChrome 81からとなっています。

◆WebXRの機能がアップデート
ブラウザ上でARやVRを実行する機能であるWebXRに、「バーチャルオブジェクトをAR上に配置する」機能が追加されました。この機能を利用することで、例えば新しいソファーが自宅にどう配置できるのかをウェブ上で確認することなどが可能になります。

◆インストールしたアプリのアイコン上にバッジを表示することが可能に
PWAを利用することでウェブアプリを端末にインストールすることが可能ですが、Chrome 81からはそのアイコンにバッジを表示することが可能になりました。バッジを表示することは通知を送信することよりも邪魔になりづらいため、より高い頻度でデータを更新し、新たな情報をユーザーに伝えることが可能です。

◆ウェブ上からNFCタグを操作できるAPIがテスト段階へ
ウェブアプリがNFCタグを読み取ったり書き込んだりするためのAPIである「Web NFC」APIが実装されました。Chrome 81ではデフォルトで有効になっているわけではなく、テストのための実装となっています。

◆TLS 1.0およびTLS 1.1のサポートは継続へ
Firefoxが一度削除したTLS 1.0およびTLS 1.1のサポートを「政府サイトへのアクセス性を改善するため」として復活させたことに続き、Chrome 81で削除予定だったTLS 1.0およびTLS 1.1のサポートが、少なくともChrome 83までは継続されると発表されました。

また、Chrome 81には32個のセキュリティバグフィックスが含まれています。