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宇宙飛行士やタンカー船員など「孤独と戦う職業」から学ぶ「自宅待機のコツ」とは?


人間は社会的な動物であり、他人と関わる機会を失って孤独になると、心身ともに大きな影響を受けます。しかし、宇宙飛行士や極地探検家、タンカーの船員などといった職業は、孤独な環境で長時間過ごさなければいけないことも。そんな職業に就く人々はどうやって孤独に耐えているのかを、自宅待機者向けのさまざまなニュースやコンテンツ、ノウハウをまとめたサイト「Homenauts」がまとめています。

Homenauts – A resource directory to #StayAtHome and make the most of it
https://www.Homenauts.com/


◆宇宙飛行士の場合
宇宙飛行士がミッションを行うのは地上から400kmのところを周回する国際宇宙ステーション(ISS)です。ISSでは複数人の宇宙飛行士が共同生活を送っていますが、彼らは自分の愛する人や友人と顔を合わせることが不可能な環境でおよそ6カ月間も過ごすこととなります。そのため、宇宙飛行士は訓練の段階で、視覚や嗅覚、触覚、聴覚など、人が当たり前に持っている感覚を遮断するテストを受けているとのこと。

さらに、ISSに滞在する宇宙飛行士には科学者だけでなく、ISSの維持管理を担当するエンジニアも存在します。エンジニアの作業に支障が出ると、修理や日常業務でミスが生じ、宇宙飛行士全員の生命を脅かす可能性もあります


宇宙飛行士の心身を正常に保つため、宇宙ではルーティンワークとシフトがしっかりと組まれており、作業以外にも運動とパーソナルケアの時間が設けられているとのこと。決められた休憩時間には決して作業を行わないように気が配られているそうです。

そんな宇宙飛行士たちは仮想現実(VR)を楽しんだり、スター・ウォーズの映画を見たりして、非日常を楽しむことで余暇を過ごしているとのこと。これを受けて、Homenautsは「日常のやらなくてはいけないこと」からいったん気をそらして、美術館や博物館がインターネットで公開している展示を見るか、あるいはいつか外に出た時のことを考えて計画を立てておくことを地球上の自宅待機者へ勧めています。


また、宇宙飛行士には音楽や楽器演奏を趣味としている人が多く存在します。例えばクリス・ハドフィールド氏は、宇宙飛行士引退を控えたラストミッションでデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」の「歌ってみた動画」を撮影し、YouTubeで公開しています。曲を演奏したり歌ったりすることで、人はストレスが軽減され、不安が取り除かれて気持ちが落ち着くので、自宅作業で心細い人はオンラインのコーラスに参加したり、新しく楽器の練習を始めたりするのもおすすめ。

Space Oddity - YouTube


◆極地探検家の場合
ノルウェーの探検家であるボルゲ・オウスラント氏は1996年から1997年にかけて、単独無支援で南極大陸を横断しました。-40℃の荒涼とした極地を2カ月以上かけて踏破したオウスラント氏は「このような容赦のない世界で生き残るために必要な『内なる調和』を見出すためには、通常10日から14日ほどかかります。しかし、すべてが出そろった時、完全に一人でいることは良い経験になります。他の人と行う探検はA地点からB地点への『物理的な旅』ですが、長い一人旅には瞑想(めいそう)という追加要素があります」と述べています。

Børge Ousland arrives at Mc Murdo station 14th of January 1997, becoming the first to ski solo and unsupported across Antarctica •
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— Borge Ousland (@borgeousland)


単独で極限状況に長期間さらされることもある極地探検家が行っているテクニックとして、「1日や1週間を細分化して、現実的なスケジュールと目標を設定し、達成するたびに自分に報酬を与える」という方法が紹介されています。また、自分の状況を整理したり、瞑想したり、ちょっとした感謝を日記に書き留めたりすることで、感情を無理に押し殺さないようにすることもおすすめだとのこと。

「人は皆、状況に対処する能力を持っていることを忘れないでください。何かがうまくいかない場合は、新しいタスクや目標に移ることも重要です。ブロックされてもあきらめないでください」とHomenautsは呼びかけています。

◆船員の場合
石油タンカーや潜水艦の乗組員は、数カ月単位で故郷から遠く離れた場所で働くことになります。職場兼生活環境は船上という限られた空間であり、自分個人と周囲とのバランスをとって生活を送る必要があります。

by European Union Naval Force Somalia Operation Atalanta

その上で重要なのが、ユーモアとナンセンスな会話。緊張をほぐしたり、欲求不満を相手にそれとなく示す時に使うことができます。また、ソーシャルメディアでお気に入りの風刺漫画家やコメディアンをフォローすることもおすすめだとHomenautsは述べています。

船上では食事の時間をしっかりと決め、ゲームで遊ぶイベントを夜に設定するなど、心理的サポートを提供したり享受したりする機会を設けるそうです。このことから、自宅待機であっても、決まった時間にしっかりと食事を取り、時にはビデオチャットを介して友人や家族と一緒に夕食を取ることもアリだとHomenautsは提案しています。

by European Union Naval Force Somalia Operation Atalanta

また、船という閉鎖空間で数週間あるいは数カ月間も、少人数の他人と隔離された状況にあると、人間関係がしばしば緊張しやすいといわれています。そのため、船上生活においては社会的関係が重要で、船員は常に役割分担をしっかりと行い、争い事が起こった時に仲介するような指導者を設定するとのこと。

また、周囲に何もない海の上であっても、船員は空いた時間を使って新しいことを学ぼうとします。Homenautsは「今こそ、学びたいと思っていた言語を勉強したり、料理の練習をしたり、新しい仕事関連のスキルを身につけたりするチャンスです」と呼びかけています。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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