22年間にわたってリモートワークを実践する企業の従業員が「自宅で仕事する時に気をつけるべきこと」をアドバイス

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴って多くの企業が在宅勤務やリモートワークを導入し始めており、GoogleやMicrosoftはリモートワーク用の会議ツールを無償提供するなどのサポートも打ち出しています。いきなりオフィス勤務から在宅勤務に移行すると、さまざまな問題が発生することが予想される中、22年にわたってリモートワークを実践してきたテクノロジー系ウェブサイトArs Technicaの従業員たちが、「リモートワークの際に気をつけるべきこと」をアドバイスしています。
Suddenly working at home? We’ve done it for 22 years—and have advice | Ars Technica
https://arstechnica.com/staff/2020/03/suddenly-working-at-home-weve-done-it-for-22-years-and-have-advice/
Ars Technicaは1998年に設立されて以来、遠隔地の従業員を雇用してインターネットを活用した勤務形態を採用してきたとのこと。多くの企業が新型コロナウイルスの影響でリモートワークを導入し始めている状況下で、いきなりオフィス勤務からリモートワークに移行した労働者は戸惑いを感じているはずであり、Ars Technicaの従業員によるアドバイスが何らかの役に立つかもしれないと、Ars Technicaは述べています。
◆上級科学編集者:Jay Timmer氏
Timmer氏は「あなたのオフィスにはいい眺めが必要です。木々、鳥、開けた空。あなたがスクリーンから顔を上げて思考をクリアにしたい時、あなたにとって魅力的な、見たい風景が必要です」と述べ、リモートワークでは適切な気晴らしが必要だとアドバイスしました。
また、オフィス勤務では何かと周囲を見回したり、昼食をとるために席を離れたりする必要がありますが、在宅勤務をしているとより座りがちになってしまいます。「多くの研究は、単に立ちあがって少し動くだけでも健康にいいことを示しています」とTimmer氏は指摘し、仕事にのめり込んで疲れ果ててしまう前に、簡単に体を動かす方法を用意しておくといいとのことです。

◆上級テクノロジーポリシー編集者:Timothy Lee氏
Lee氏はリモートワークを円滑に進める上で、「働く場所」を明確に用意することが重要だと主張。「物理的に分離されたワークスペースが必要です。理想的には完全に独立したオフィスが、最低でも仕事専用のデスクを用意します」とLee氏は述べ、キッチンやTVなど、自分の気を散らす可能性があるものはできる限り排除するべきだとアドバイスしています。
◆上級テクノロジー編集者:Lee Hutchinson氏
Ars Technicaに勤務する前の職場でも、Hutchinson氏は必要に応じて在宅勤務が可能な雇用環境だったそうです。ところが、基本的に多くの従業員は物理的なオフィスに出勤して仕事をしていたため、在宅勤務をすると「オフィスや会社のホールで交わされる大量の非公式なコミュニケーション」を逃し、孤立していると感じてしまったとのこと。もちろん、在宅勤務でもインスタントメッセージアプリや電子メールによるやり取りはありますが、口頭での会話まではHutchinson氏にもたらされません。
その一方で、Ars Technicaではほぼ全ての従業員が完全にリモートワークを行っているため、他愛のない雑談を含めた全ての会話がSlackで行われているとのこと。Slackで雑談をすることは時間の浪費とみなされるケースもありますが、自分の他にも同じ会社に勤務する同僚の存在を実感し、くだらない冗談で笑い合うことは、メンタルヘルスにとって重要な役割を果たすとHutchinson氏は述べました。

◆上級編集者:Jennifer Ouellette氏
Ouellette氏もHutchinson氏の意見に賛同し、リモートワークであっても同じ傾向を持つ同僚たちとのグループをオンラインで形成し、同じ経験を共有することは重要だと指摘。物理的なオフィスで出会わない分、リモートワークではオンライン上で結束を深める必要があるとのこと。
長年にわたってリモートワークを行ってきたOuellette氏は、「正直なところ、自宅で仕事をする上で苦労したことはありません」とコメント。自宅勤務は毎日のルーチンを確立しやすく、標準的なオフィスでの仕事よりも性に合っているそうです。しかし、定期的な社会的相互作用が仕事の問題を解決する上でのヒントになるケースもあると認めており、1週間のうちに数日は友人や同様の仕事をする仲間たちとカフェで話し込んだり、お出かけしたりすることを推奨しています。
また、1日のうちでも定期的に運動する習慣を持つべきだとOuellette氏は述べており、デスクを離れて散歩することで脳をリフレッシュできるとのこと。単に資料を読み込むだけであれば、家にあるウォーキングマシンで歩きながら読み込むのもいいそうです。
また、家で飼っているペットは日中の短い休憩にとってピッタリだそうで、Ouellette氏は仕事で疲れると部屋の中にいるネコを見て癒されているそうです。

◆コピーエディター(校正者):Aaron Zimmerman氏
Zimmerman氏のアドバイスはシンプルで、「イヌを飼うこと」です。イヌはZimmerman氏にとって最高の同僚であり、イヌを飼っていない人がどのように暮らしているのか想像もできないと語っています。
◆編集長:Eric Bangeman氏
イヌを愛するZimmerman氏に対し、Bangeman氏は「悲しい現実ですが、私たちの同僚の何人かはネコを飼っています」と指摘。どちらかというと、Ars Technicaの従業員はイヌ派よりネコ派が多いようです。
リモートワークに対するアドバイスとしてBangeman氏は、仕事場をそれ以外の場所と分離して、家の外で運動することを推奨しています。Bangeman氏は週2、3回は同じカフェに通って仕事をしているそうで、同僚と顔を合わせることはなくても、カフェの常連たちと知り合いになったと述べました。

◆副コピーエディター:Kerry Staurseth氏
Staurseth氏はイヌ派だそうで、「イヌは私を家から連れ出し、自然の中に連れて行ってくれます。彼らはよい同僚でもあります。イヌはうわさ話やいたずらをしませんし、肩越しに私の仕事をのぞき込むこともしません。さらに、私が知ってるどの人間よりもかわいいです(子どもたち、ゴメンね)」とコメントを寄せています。
◆テクノロジー文化編集者:Sam Machkovech氏
Machkovech氏は在宅勤務を行う場合、1日に1回はちゃんとした食事を作って食べることで、健康状態を維持していい仕事ができるとアドバイス。また、新型コロナウイルスが流行している場合でも、都市が封鎖状況にない場合は地元の店舗に足を運んでサポートしてあげるといいとのこと。不要不急の外出を控えるようにと報じられていますが、社会的距離と適切な衛生状態を確保した上で地元の飲食店を訪れ、お金を使い経済を回すことが必要だと主張しています。
在宅勤務をするに当たっても、同僚とのビデオ会議を行うなどして交流を行い、仕事の息抜きに家族や友人とも通話して人とのつながりを持つべきだとMachkovech氏は指摘。オフィスではなく自宅で仕事ができるのであれば、予備のモニターを使ってセカンドスクリーンとして活用したり、心地のいい音楽を流してみたりと、自分が快適に仕事できる環境を整えることに力を注ぐのもいいとアドバイスしました。

◆編集者:Peter Opaskar氏
Opaskar氏は「自宅勤務をよりよくする本当の方法について書く時間がなかったので、TVアニメ『ザ・シンプソンズ』のホーマー・シンプソンのセリフを引用します。人事には言わないでください」と記し、以下のムービーを掲載。ムービーはシンプソンが「アルコール!人生の全ての問題における原因、そして解決策」と訴えるもので、いざとなればアルコールという最終手段もあるとOpaskar氏は冗談めかして示唆しました。
To Alcohol! The cause of... and solution to... all of life's problems. - YouTube

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